よくある会社の問題 ~同族経営~
こんにちは! 末松です。
今日は会社の同族経営について考えてみます。
日本の税法では株式の50%以上を家族などが保有していると同族会社とみなされますが、日本では同族会社の割合が高く、中小企業の約96%(平成25年度国税庁統計)は同族会社で、つまり同族経営です。
少し前に、有名なO会社の経営権を巡る騒動から、同族経営は良くないという風潮も強いようですが、本当にそうでしょうか?
同族経営には、仕事に私情・私益をはさむ、馴れ合いになりがち、ファミリーと社員の間に壁が出来やすい、同族以外の社員のやる気を下げるといったマイナス面もありますが、後継者が社長の身近で修業しやすい、会社だけではなく家でもコミュニケーションを図ることができる、家族を役員にしている安心感などのプラス面も考えられます。
同族経営のマイナス面を回避するには、中小企業も外部の人材や社員の中から優秀な人を選んで後継者にすればよいと考えられますが、日本では一般的に中小企業は大企業と比較して優秀な人材を獲得するのが難しいとされています。
このため、中小企業では同族の中から後継者を選ぶのが現実的であり、その方が社員・顧客・取引関係者も納得しやすいといえるでしょう。
家族観(親子・兄弟・親戚など)の感情的な対立は「どんな会社にしたいのか」という基本的な方向性を確認し、この部分で一致していればあとは方法論のみの問題ですので、徹底的に話し合うことで解決出来るでしょう。また、社内の一部門を独立させて別会社を作り、その経営を任せてみるといった方法も考えられます。
現在の厳しい経済情勢下では、先代経営者の経営哲学を大切にし、自社ののれんに対する誇りとそれを守る強い意志を持つ同族経営だからこそ、長期にわたって成功しているともいえるのではないでしょうか。