2017年9月19日 8:59 am

マイホームを建築する時に活用できる非課税制度~住宅取得等資金の贈与~

 

マイホームを建てる時に、建設費用の一部を親に援助してもらうことはよくある話です。

ではこの親の一部援助で住宅を建築した場合、この援助部分はどのように取扱われるのでしょうか?

具体例を通してみていきましょう。

 

Q.祖父が所有する空き地に、マイホームを建築しようと思っています。建築資金のうち、半分の1,500 万円は父 が援助してくれます。残り 1,500 万円は、 私が住宅ローンを組む予定です。父が援助してくれた部分は、どのように取扱われますか?

また、土地についてはどのようにすればよいのでしょうか?

 

A.資金拠出と登記名義を同等にしないと、贈与の問題が生じます。土地については、おじい様が住宅ローンの抵当権設定に承諾くだされば、土地はおじい様名義のまま、その上にあなた名義で家屋を建築することが可能です。

 

 

では、ケースごとに贈与税額を見てみましょう。

 

ケース①

家屋持分 父1/2 子1/2

→贈与税課税関係なしとなり贈与税は0円です

 

ケース②

家屋持分 父0 子1/1

→父から子(20歳以上)へ現金1500万円を贈与。

子の贈与税額=(1500万円-110万円)×40%-190万円=366万円となります。(暦年贈与)

 

 

このように資金拠出と登記名義を同等しないと贈与税の課税対象となります。

しかし一定の住宅を取得するための資金の贈与であれば、一定額までは非課税で贈与を受けることができ、この制度を利用すれば資金拠出と登記名義を同等にしなくても、贈与税の負担を軽減することができます。

 

この住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度について具体的に紹介していきます。

 

 

(要件)

贈与者

・父、母、祖父、祖母などの直系尊属であること。

(注)配偶者の父母(又は祖父母)は直系尊属には該当しませんが、養子縁組をしている場合は直系尊属に該当します。

 

 

受贈者

・贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。

・贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。

・過去の贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(一定の場合を除きます。)。

 

 

贈与財産

・受贈者の自宅の購入、建築又は増改築に充てるための資金であること。

・贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。

・贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。

 

 

新築・取得又は増改築する家屋等

・550㎡以上240㎡以下でかつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。

・次のいずれかに該当すること。

❶建築後使用されたことのない住宅用の家屋である。

❷建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築されたもの。

❸建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係る基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの。

❹贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修によりその住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき一定の証明書等により証明がされたもの。

 

 

適用手続き

・贈与税の申告期限内(贈与の翌年2月1日~3月15日)に、贈与税の申告書に特例の適用を受ける旨の記載及び添付書類を添付して提出する。

(注1)期限内申告書提出の場合に限り、適用可能です。

(注2)添付書類は戸籍の謄本、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類のことです。

 

この要件を満たす場合にこの非課税制度を受けることが出来ます。

 

 

控除額

購入、建築等の契約日 消費税8%の契約又は個人間売買
省エネ等住宅 左記以外
H28.1/1-H31.3/31 1200万円 700万円
H31.4/1-H32.3/31 1200万円 700万円
H32.4/1-H33.3/31 1000万円 500万円
H33.4/1-H33.12/31 800万円 300万円

(注)省エネ等住宅とは、省エネ等基準を満たしている家屋であることにつき、一定の証明がなされる家屋。

 

では非課税制度を受けた場合の贈与税額を見てみましょう。

 

ケース③

前提;平成29年贈与、省エネ等住宅に該当

家屋持分 父0 子1/1

→父から子へ現金1500万円贈与。

子の贈与税額=(1500万円-1200万円-110万円)×10%=19万円となります。(暦年贈与)

 

このようにケース②と同じ登記内容でも贈与税額は347万円も減らせます

また、相続時精算課税制度(特別控除2500万円)とのダブル適用も可能です。

 

贈与税・相続税には色々な選択肢があるので最善の選択が出来るように生前対策が重要です。

生前対策をするためには、家族構成・財産内容を把握した上で、「どのくらい財産があるのか?相続税が現状いくらかかるか?」を把握することが必要になります。

相続に不安をお持ちの方、まずは現状の財産を把握して、しっかりと生前対策をおこないましょう。

 

 

参考資料;国税庁・末松会計ニュースレター2017年秋号

 

相続税の申告・生前対策・相続財産シュミレーションを検討される場合は、名古屋市東区の会計事務所、末松会計事務所にお任せ下さい。