2018年10月15日 4:51 pm

今年の年末調整は少し面倒?

年末調整の時期が近づいてきました。今年は配偶者控除・配偶者特別控除に大きな変更がありましたので説明したいと思います。

過去のブログも参照してください。→平成30年から配偶者控除が変わります

 

 

変更点は3つあります。

 

1つ目は、配偶者特別控除が受けられる配偶者の所得金額の上限が1,409,999円から1,230,000円に上がったこと。

 

2つ目は、配偶者控除・配偶者特別控除を受ける条件に本人の所得金額が1000万円以下という制限ができたこと。

 

3つ目は、本人の所得金額によって配偶者控除・配偶者特別控除の控除額が変わること。

 

所得金額と控除額については過去のブログを参照して頂くとして、今回は具体的な事務手続き(従業員の方が記入する書類)について書きたいと思います。

去年までは年末調整の時期になると、「給与所得者の扶養控除等申告書」、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」の2種類の用紙に記入して会社に提出していましたが、今年からは「給与所得者の扶養控除等申告書」、「給与所得者の保険料控除申告書」、「給与所得者の配偶者等控除申告書」の3種類になります。

お気づきになられたと思いますが、保険料と配偶者特別控除の申告書が別々の用紙になっています。これは配偶者控除等の計算が複雑になったためです。

「扶養控除等申告書」の変更はありません。「保険料控除申告書」も記入するスペースが広くなっていますが記載内容に変更はありませんので、「配偶者控除等申告書」について説明していきます。

 

「配偶者控除等申告書」とは

実際の申告書がこちらです。

キャプチャ
今年から本人と配偶者の所得金額によって控除額が変わってきますので、この申告書でそれぞれの所得金額を見積もります。

配偶者控除や配偶者特別控除を受ける人は「配偶者控除等申告書」を提出しなくてはいけません。配偶者控除も配偶者特別控除も受けない人は提出不要です。

 

①まず最初に申告書の真ん中あたりの「あなたの合計所得金額」を記載します。

あなたの所得

ここに全ての所得の見積額を記入します。年金収入のある方は雑所得になります。漏れがあると年末調整が間違ったものになりますので、できるだけ正確に記入して下さい。

所得金額の合計額が1000万円を超える場合は控除を受けられませんので、この申告書の作成は不要です。

 

②算出した(1)~(7)の合計額を*1欄に転記します。

あなたの所得区分

この金額がA~Cのどこに当てはまるかを判定して、区分 Ⅰ にA,B,Cを記入します。

 

③つぎに配偶者の合計所得金額を記載します。

配偶者の合計所得

記載方法は①と同じです。

所得金額の合計額が123万円を超える場合は控除が受けられませんので、この申告書の作成は不要です。

 

④算出した(1)~(7)の合計額を*2欄に転記します。

配偶者の所得区分

この金額が①~④のどこに当てはまるかを判定して、区分 Ⅱ に①,②,③,④を記入します。

 

⑤区分Ⅰと区分Ⅱを表に当てはめて控除額を求めます。

控除額

縦軸に区分ⅠのA~C、横軸に区分Ⅱの①~④を入れて控除額を求め、配偶者控除の額又は配偶者特別控除の額に記載します。

 

⑥最後に本人の氏名、住所、配偶者の氏名、生年月日等を記入して完成です。

配偶者の個人番号については会社によって取り扱いが違いますので、記入するか否かは確認してください。

 

会社が従業員に用紙を配る際の注意点

税務署から送られてくる用紙が少ないので、コピーしたものを従業員に配ることがあると思いますが、「配偶者控除等申告書」は所得の計算のために裏面も必要となりますので、裏面もコピーして渡してください。