2017年9月28日 8:52 pm

今注目の民事信託①~認知症による資産の凍結を防ぐ~

 

近年、生前対策として注目を浴びているのが「民事信託」です。

この「民事信託」がいったいどのようなものなのか、そもそも初めて聞いたという方も多いと思います。

なので今回は基本的な内容を説明していきたいと思います。

 

 

信託するとは

まず、信託するとは所有権を「権利(使用収益権)」と「名義(管理処分権)」に分けることをいいます。

つまり信託する=所有権の分解を示します。

 

この民事信託が注目されている大きな理由として認知症による資産の凍結が避けられるからです。

これもあまり知られていないのですが、財産を所有する方が認知症になった場合、そのすべての財産はすべて凍結されてしまいます

例えば、親が認知症になってしまい、介護施設の入所費用等の費用が必要になったとしても、子が認知症の親の財産を処分したり、活用することはできません。

それが親の生活を守るためであっても財産を動かすことはできません。

実際にこのようなことがあったら、困りますよね?そこで、このような事態を避ける手段として使われているのが民事信託です。

 

 

民事信託の概要・仕組み

民事信託には3人分の役割があります。

委託者・・・財産の所有者、財産を託す人。

受託者・・・財産を託され、管理・運用・処分する人。

受益者・・・財産の運用・処分で利益を得る権利(受益権)を有する人。

※委託者と受益者が異なる場合(他益信託)には税務上、贈与とみなされます。

同一の場合(自益信託)には経済的実質に変更がないため贈与税等の発生はありません。

 

このように、受託者は管理処分権を得ることにより、財産の管理・運用・処分というアクションを起こすことができ、資産が凍結するということがありません

 

ただし、注意点が一つあります。

所有権は形式的には移転しますが、本当の所有者は受益者です

なので、受託者は信託された財産を自身の財産と分けて管理する必要があります

 

以下財産種別の名義変更手続き。

①不動産

・受託者に対する所有権移転及び信託の登記

②金融資産

・受託者が信託専用口座(委託者○○受託者○○信託口)を作り、金銭や家賃収入を管理する。

名前だけの受託者名義の個人口座はダメです。

※現在、この信託専用口座を作れる金融機関はかなり限られています。

③非上場株式

決算書の別表2の株主記載が変更される。

・譲渡制限がかかっている株式は、会社の承認を得て名義書換

 

 

まとめ

民事信託は個人の財産の管理や、相続時・贈与時における財産の円滑な移転を目的に、家族や親族が受託者になる事例が多いです。

そのため家族信託とも呼ばれています。

民事信託(家族信託)は、家族の中で信頼できる人に財産の管理を任せることにより、もし親が認知症になったとしても子が適切に財産を管理・運用・処分することができます。

 

不動産や預貯金などの資産がある家庭では、現状の財産を把握して、しっかりと生前の財産診断を行うことをお勧めします。

生前の財産診断はこちら

 

次回は実際に事例を用いて、どのように事業承継対策・相続税対策に繋がるか詳しく紹介していきます。

 

相続税の申告・生前対策・相続財産シュミレーションを検討される場合は、名古屋市東区の会計事務所、末松会計事務所にお任せ下さい。