2017年11月21日 6:07 pm

名義預金とみなされないために

 

お孫さん将来のために貯金してあげようと、贈与者の方が口座を作り、お金を振り込まれている方は多いと思います。

しかし、これは名義預金としてみなされてしまい、贈与として認められない可能性が非常に高いのです。

贈与と認められない場合には贈与者が亡くなった時に相続財産に加算されてしまうので、注意をしなければ相続税を余分に支払わなければいけなくなってしまいます。

 

 

名義預金とみなされてしまうケース

・孫名義の預金の印鑑が贈与した人の印鑑と同一である。

・孫が遠方にいるのに、贈与者の地元の金融機関に口座がある。

・預金残高が年齢の割に高い。

・孫が預金の存在を知らない。

 

そもそも贈与とは、無償で財産を「(贈与者)あげる」、と「(受贈者)もらう」というお互いの意思表示により成立する契約なのです。

ですから、贈与者の贈与の申し込みに対し、受贈者の受取の承諾があり初めて贈与契約が成立します。一方通行はダメなのです。

ここからは具体的な対策案を紹介していきます。

 

 

具体的な管理方法

①受贈者が贈与者と同居でない場合

→受贈者の居住する家屋において管理していること。

②受贈者と贈与者が同居の場合

→管理する場所は贈与者の通帳が管理されている場所と別にすること。

未成年の子の通帳等を贈与者たる親権者が管理する場合でも別にするべきですが、やむを得ず同じ金庫や引き出しに管理する場合でも、別々の封筒やケースに保管すること。

明らかに受贈者のものであることが判別できるように名前を書くか色別にするなどの方法をとること。

③印鑑も別々に保管すること。

 

 

通帳作成時の注意点

①金融機関で通帳等を作成する際記入する「印鑑票」は、名義人である受贈者自らが記入すること。

未成年者が口座を開設する際は親権者が記入することになるが、贈与者たる親が記入することは好ましくない。

贈与者でない親権者が記入するのが望ましい。やむを得ず贈与者たる親が記入する場合は「印鑑票」の枠外に「親権者〇〇代筆」と記入すること。この記入が認められない場合は、金融機関担当者に金融機関側での記入を依頼すること。

登録する印鑑(口座に使用する印鑑)は、贈与者のものと別にすること。

同一印鑑であった場合は改印手続きをしておくこと。その手続きも名義人である受贈者自らが行うこと。

 

 

入出金をする際の注意点

①受益者が口座に入金する際の「入金伝票」の記入は、受贈者自らが行うこと。

未成年者の口座入金な場合は贈与者以外の親権者が記入することが望ましい。贈与者たる親が記入する場合は、入金伝票の氏名欄の隅に「親権者〇〇代筆」と記入する。その記入が認められない場合は金融機関担当者に、伝票の一部にその旨のメモ書きを依頼する。

贈与者の口座の出金と受贈者の口座の入金を同時処理する場合は上記①の注意事項は必ず守ること

③出金伝票、入金伝票のいずれにおいても、第三者の代筆は避けること

金融機関担当者の代筆は厳禁です。税務当局は何らかの作為があると判断することが多いです。

 

 

おわりに

贈与により振り込みを受けた受贈者名義の預金通帳は受贈者自らが管理することが重要です。

同様に、通帳に使用した印鑑も受贈者自らが管理することが必要です。

上記のようなポイントを押さえつつ、贈与を有効に活用していきましょう。

 

相続税の申告・生前対策・相続財産シュミレーションを検討される場合は、名古屋市東区の会計事務所、末松会計事務所にお任せ下さい。