不動産オーナー要注意!小規模宅地等の特例改正~貸付事業用宅地~
前回は小規模宅地等の特例の中でも「家なき子の要件改正」についての記事をアップしました。
今回は貸付事業用宅地に関する小規模宅地等の特例の改正について説明していきます。
改正のポイント
これまでは現金を一時的にタワーマンション等の不動産に換え、小規模宅地等の特例を適用して相続税負担を軽減することが可能でした。
これが問題視され、相続開始前の3年以内に貸し付けを開始した不動産については、小規模宅地等の特例の対象から除外されることとなりました。(ただし、事業的規模で貸付けを行っている場合は除かれます。)
この問題となったケースを例をつかってみていきます。
問題となったケース
①現金1億円を亡くなる数か月前に時価1億円の200㎡の駐車場を購入します。
②駐車場は路線価評価で8000万円です。
③小規模宅地の特例(貸付事業用)を適用して、200㎡まで相続税評価額を50%減させます。
これで次のように相続財産を圧縮することができました。
現金1億円→駐車場(路線価評価)8000万円-(8000万円×50%)=4000万円
このように相続財産を6000万円分も圧縮することが可能でした。
このような行き過ぎた節税行為を防ぐために見直しされたといわれています。
貸付事業用宅地の適用要件
・被相続人等がその土地で貸付事業をしていたこと。
・相続人が貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで保有していること。
・その土地が建物、構築物の敷地の用に供していること。
・(新)相続開始前3年以内に貸付けを開始した不動産については、特例の対象から除外されます。
・(新)相続開始前3年を超えて、事業的規模で貸付を行っている場合は、今まで通り特例の対象となります。
まとめ
改正案は平成30年4月1日以降からです。
小規模宅地の特例は評価減80%できる特例です。
相続が発生すると相続税額も大きくなる可能性があるので、税制改正には注意して、しっかりと生前に対策を行っていきましょう。
相続税の申告・生前対策・相続シュミレーションを検討される場合は、名古屋市東区の税理士事務所、末松会計事務所にお任せ下さい。