年々大幅に減少する税理士受験者~今年の動向は!?~
こんにちは。
ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしょうか。
税理士受験の申し込みが来週(受付期間平成30年5月8日から同年5月18日)に迫ってきました。
税理士を目指している方はゴールデンウイークも気が休まらない方も多いでしょう。
実はここ数年税理士試験の受験申し込みが減っているのです。
昨年、国税庁より発表された受験者数によると受験者数は前年比で延べ4,870名(7.1%)の減少でした。
以下が税理士試験の過去5年間の申込者数(延べ人数)の推移です。
平成25年87,898人、平成26年79,045人、平成27年74,212人、平成28年68,310人、平成29年43,440人となっています。
この推移を見ると平成25年から平成29年で約30%もの受験者が減っています。
では近年なぜ受験者が減っているのでしょうか。
それはここ数年、税理士は、AI(人工知能)などのテクノロジーによって代替される職業の代表としてメディアに取り上げているのが影響しているかと思います。
税理士試験の受験生がその煽りを受けて、税理士に魅力を感じなくなったのかもしれません。
2015年12月、野村総合研究所(NRI)と英オックスフォード大学は「日本の労働人口の49%は、10年後に人工知能・ロボットに代替される可能性がある」と研究結果を発表しました。
代替可能性が高い職業として具体的に挙げられている中には、税理士や会計士、行政書士など士業が多く含まれていました。機械に代替されていくとされている士業は、近い将来本当になくなるのでしょうか。また、人工知能のさらなる発達で税理士は代替されてしまうのでしょうか。
確かに記帳代行などの手続き代行業務はなくなるかもしれません。今まで記帳代行の部分に頼って収益を上げていた税理士にとっては大変な時代がくるかもしれません。
しかし、AIなどテクノロジーが進化することで顧客の元に行かなくても資料回収や監査ができたり、自動仕訳で試算表が作成できたりと生産性が上がる税理士も多くいると思います。
税理士は自ら手を動かすことなく、機械が作った試算表やレポートをもとに、問題点の報告や状況の確認をするという時代の到来です。
今後重要になってくるのは人工知能を敵ではなく、よきパートナーにできるかどうかだと思います。機械に仕事が奪われることに怯えるのではなく、進化する技術を自社の武器としてどう使いこなしていくかで生き残れる税理士とそうでない税理士の差が出てくると思います。
このように技術が日々進化する中で人間でなくてはできない仕事が減っていく感覚は、敏感な多くの税理士受験生が感じていると思います。
今年の受験者数の動向が非常に気になるところです。
変化する時代を楽しめる税理士受験者が増えることを切に願います。
末松会計事務所は税理士受験生を応援しています。