2015年4月10日 2:16 pm

結婚・子育て資金の一括贈与

こんにちは、スタッフのSです。
今日は4月1日から実施された「結婚・子育て資金の一括贈与」について書きたいと思います。(ちょっと長いです)
これは直系尊属(父母、祖父母等)から結婚や子育てのための資金を貰った時、一定の条件で贈与税が非課税になる制度です。
1.概要
平成 27年4月1日から平成 31年3月 31日までの間に20歳以上 50歳未満の者に対し、結婚・子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属が金融機関に信託等をした場合、受贈者 1人につき 1,000万円(結婚に際して支出する費用については 300万円が限度)までは贈与税が課税されません。
上記の「結婚・子育て資金」とは、次に掲げる費用に充てるための金銭です。
① 結婚に際して支出する婚礼(結婚披露を含む。)に要する費用、住居に要する費用及び引越に要する費用のうち一定のもの
② 妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料のうち一定のもの
 ※費用の詳しい内容については、内閣府の関連ページをご覧ください。リンク先を最後に記載しておきます。
2.払出しの確認等
受贈者は、結婚・子育て資金の支払に使ったことを証明する書類を金融機関に提出しなければいけません。最終的にはこの提出書類の合計が非課税になります。
3.結婚・子育て資金管理契約の終了
以下に該当した場合には、結婚・子育て資金管理契約は終了します。
① 受贈者が 50歳に達した場合
② 受贈者が死亡した場合
③ 信託財産等の価額が零となった場合において終了の合意があったとき
4.終了時の残額の取扱い
上記3.①又は③の理由で終了した場合に、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額があるときは、これらの事由に該当した日に贈与があったものとして贈与税が課税されます。
上記3.②に掲げる理由で終了した場合には、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額については、贈与税は課されません。
5.期間中に贈与者が死亡した場合の取扱い
信託等があった日から結婚・子育て資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合には、死亡の日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額については、相続又は遺贈により取得したものとみなして、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算します。この時受贈者が子以外(孫、曾孫等)であった場合でも、残額に対応する相続税額については相続税額の2割加算の対象となりません。
なお、この残額は、結婚・子育て資金支出額とみなされますので、受贈者が 50歳に達した時口座に残高があっても贈与税は課税されません。
以上長々と書きましたが、これってほとんど「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」と同じじゃない?と思われたかもしれませんね。はい、運用方法はほとんど同じです。ただ上記5の贈与者が期間中に亡くなった場合の取扱いが違っていますので、気を付けてください。
 「結婚・子育て資金」は亡くなった時点で相続税の対象になりますが、「教育資金」のほうは受贈者が30歳に達した時点で贈与税の対象になります。
 「結婚・子育て資金」も「教育資金」もあるていど計画をたてないとメリットが少ない、あるいはデメリットのほうが大きいということにもなりますので、慎重に実行してください。
 「教育資金」のほうも一部改正がありました。通学定期券代や留学渡航費用も認められるようになりました。
リンク先
国税庁パンフレット
内閣府 関連ページ