2017年3月10日 1:02 pm
自社株対策が難しくなる~平成29年税制改正②~
前回は配偶者控除の改正について紹介しました。
この改正は経営者だけではなく、多くの方に影響があります。
今回は話がガラっと変わって、相続税の評価についてご紹介します。
法人の経営者やその親族に影響がある改正となります。
相続が発生した場合に財産のうち大きなウェイトを占めるのは土地と自社株です。
そのうちの1つである自社株の評価方法が見直されます。
改正前の自社株の評価は評価対象となる法人の配当、利益、純資産の比重で株価を
算定していました。
具体的な比重は1:3:1(配当:利益:純資産)の割合です。
要するに利益の割合が他に比べて大きいということです。
このように利益の割合が大きいため、役員退職金を支給して、利益を圧縮し、自社株の評価を下げるという手法が頻繁に用いられています。
しかし、今回の改正で利益調整での相続税対策が難しくなります。
具体的には、前述の比重を1:1:1(配当:利益:純資産)に改正されます。
それにより、退職金支給や含み損を抱えた資産の売却で自社株の評価を大きく下げるという相続対策の効果が従来より薄くなります。
利益の割合が他の割合と一致するということは、純資産の占める割合が従来よりも増えるということなので、純資産額が大きい企業は自社株評価額がこれまで以上に高額となるといえます。
この改正は本年1月からスタートしています。
利益圧縮での節税効果が薄れたため、今まで以上にしっかりとプランニングした相続税対策が必要となりそうです。
自社株式対策については名古屋市東区の会計事務所、末松会計事務所にお任せ下さい。