COLUMN経営コラム

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[年末調整]収入金額の書き方|5分で終わる|所得計算ツールも

2022.12.16

税務経理

「収入金額と所得金額の書き方がわからない」

従業員からそのような相談を受けた時、この記事を教えれば済むよう、年末調整のご担当者様に向けて作成したのが本記事です。

収入金額を知る方法を複数紹介、所得金額を10秒ほどで計算できるツールも2つ、ご紹介しています。

ほとんどの従業員の方は、5分もあれば問題なく書き上げられるはずです。

[年末調整]収入金額の書き方|どこでわかる?

それでは、『収入金額』の書き方をご案内します。

令和4年分給与所得者の基礎控除申告書の収入金額記入欄出典:令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書 |国税庁HP

『収入金額』の欄に記入するのは、今年の1月〜12月の合計給与。まだ支給されていない12月分も含めて計算してください。

書類に”見積額”とあるように、だいたいの額で大丈夫です(900万円以下なら何円でも同じ扱いになります)。

額面?手取り?額面(税金や保険料などが天引きされる前の総額)
いつの収入を書く?今年の1月分〜12月分の合計
どこまで正確に書く?おおよそで良い(”見積額”である)
※パート・
アルバイトの場合
書き方・計算は正社員と同じ
※複数の職場
掛け持ちの場合
全て合算(パート・アルバイト含む)
※転職した場合前職分も合算

▼ 前職の源泉徴収票が間に合わない時の対応
【対処法】年末調整に源泉徴収票が間に合わない|前職会社への対応も

方法1:収入金額は給与明細の「総支給額」を見ればわかる

給与明細を見れば、一月あたりの『収入金額』がわかります。

毎月会社から渡されている、給与明細の「総支給額」の欄をご覧ください。

「総支給額」の12倍(12ヶ月分)が『収入金額』となります。

方法2:源泉徴収票の「支払金額」なら書き写すだけでいい

昨年の収入と今年の収入が大きく変わらない場合の、楽な書き方があります。

もし昨年の源泉徴収票があるなら、「支払金額」の数字をそのまま書き写しましょう。この「支払金額」は、まさに去年の『収入金額』が記載されているのです。

源泉徴収票は、昨年末に会社から配られているはずです。

▼ 源泉徴収票はこんな書類です(上部のみ掲載)

源泉徴収票の収入金額が分かる欄

出典:給与所得の源泉徴収票|国税庁HP

方法3:給与明細も源泉徴収票もない場合

源泉徴収票・給与明細がなくても、以下の方法で昨年の『給与収入』がわかります。

住民税の通知今年の5〜6月にお住まいの市区町村から届いている。今年の住民税額を案内(通知)する書類。
役所の窓口で聞く市区町村役場の窓口で教えてもらえることも多い。身分証明書が必要。
所得証明書(有料)市区町村に郵送で請求可能。市区町村によってはコンビニで取得可能。詳しくは市区町村に問い合わせを。

所得金額の計算方法(10秒でできます)

次に、所得金額を計算し記入する、とても簡単なやり方をご案内します。

令和4年分給与所得者の基礎控除申告書の所得金額欄

出典:令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書 |国税庁HP

難しい計算は必要ありません。以下のいずれかのツールを使えば、10秒で『所得金額』を算出できます。

先程確認した収入金額を該当の欄に入力し、計算ボタンを押してください。『所得金額』が自動で算出されます。

【keisanサービスで計算する場合】

  • 収入金額以外の欄は、空欄のまま計算して大丈夫です。
  • 算出した『所得金額』の表示されるのは、「給与所得控除後の金額」という部分です。

補足:収入金額が850万円超の場合にお読みください

収入金額が850万円を超えていて、かつ、以下に該当する場合は「所得金額調整控除」を受けて税負担を軽減できる可能性があります。

  • 23歳未満の子どもがいる
  • 自身または家族が障害を持っている

「所得金額調整控除」を受ける場合の『所得金額』は、算出した『所得金額』から「所得金額調整控除」を引いた額を記入します(同じ用紙内にある「所得金額調整控除申告書」も忘れずに記入しましょう)。

詳しくは、国税庁HPの所得金額調整控除をご覧ください。

補足:収入とは何か?所得とは何か?

所得金額(利益) = 収入金額(売上) − 必要経費

収入金額労働の提供により得た売上
所得金額収入金額(売上)から必要経費(スーツ代・文房具代など)を引いて、手元に残るお金。利益。

お店であれば、必要経費は仕入れ代など明確ですよね。

サラリーマンの必要経費は曖昧なので、必要経費は定められた金額になります。

収入金額(売上)から、計算式を使って必要経費を差し引けば、『所得金額』が導き出されるというわけです。

「所轄税務署長欄はどう記載する?」

市区町村長欄も含め、こちらの記事でわかりやすくお伝えしております。

【すぐわかる】年末調整の税務署はどこ?提出先・書き方・調べ方

配偶者や扶養親族の収入金額・所得金額は?

ここまでお伝えしてきた「給与所得者の基礎控除申告書」の他にも、収入金額や所得金額を記入する箇所があります。

配偶者や、お子さんなど扶養親族の収入金額・所得金額の書き方も、難しく考える必要はありません。

収入金額・所得金額の考え方は、ご自身の場合と同じです。

▼ 収入金額・所得金額は、控除額の計算・判定に使います。

給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書

出典:令和4年分  給与所得者の配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書|国税庁HP

令和4年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

出典:令和4年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書|国税庁HP

この記事のまとめ

従業員の方は、無事、収入金額と所得金額を記入できましたでしょうか。

不慣れな方にとって、税関係の書類は見るだけでも頭が痛いものです。年末調整ご担当者様、従業員の方共に、少しでも負担を和らげていただけたのなら幸いでございます。

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。