COLUMN経営コラム

COLUMN経営コラム

日本政策金融公庫とは?徹底的にわかりやすく解説|強み・業務内容も
2023.01.30
融資
日本政策金融公庫の融資制度を利用すれば、民間の銀行や信用金庫では融資を受けづらい中小規模の事業者でも、資金調達が可能です。創業時の借入れもできます。
とはいうものの、日本政策金融公庫とは一体どのような金融機関なのか?まだイメージできていないのではないでしょうか。
今から、日本政策金融公庫のイメージが描けて、融資制度を利用するか検討できるよう、基本事項をわかりやすく解説してまいります。
ぜひ、今後の事業の足がかりにしてください。
▼ この記事の内容
日本政策金融公庫とは?わかりやすく解説
日本政策金融公庫とは、民間金融機関では融資できない事業者への融資等を行う、公的な性質を持った金融機関です。
正式名称 | 株式会社日本政策金融公庫 |
略称 | 日本公庫 |
組織図・沿革 | 2022年版「組織・沿革」 |
根拠法 | 「株式会社日本政策金融公庫法」 |
株式会社と冠していはいるものの、民間金融機関ではありません。国が株式を100%保有し、「起業の促進」や「地域活性化」など政策的な役割を持たせています(その他の役割も、日本政策金融公庫HPにわかりやすくまとめられています)。
それでは、実際にどのような事業者が、日本政策金融公庫の融資を受けているのかをみていきましょう。
日本政策金融公庫の融資対象とは|中小企業・創業時
民間の銀行や信用金庫から融資を受けづらい事業者様は、ぜひ日本政策金融公庫からの借入れをご検討ください。
日本政策金融公庫の主な融資先は、民間金融機関から融資を受けづらい事業者です。以下、具体的に挙げてみます。
- 中小企業
- 小規模事業者
- これから創業、あるいは創業して間もない事業者
今後事業が成長していけば、民間の銀行や信用金庫から融資を受ける割合が増えていくことになります。
日本政策金融公庫から融資を受ける強みとは?
中小企業やこれから起業しようとする人の心強い味方である、日本政策金融公庫。
では、日本政策金融公庫の融資には、民間金融機関と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
日本政策金融公庫の強み
日本政策金融公庫の強みをひとことで表すと、「中小規模の事業者に優しい融資」です。
金利負担の軽さが最大の強み
まず特筆すべきは、金利負担の圧倒的軽さでしょう。
金利が非常に低く、融資制度の大半が利率1%台か2%台です。比較的融資を受けやすいといわれる銀行のビジネスローンでも6〜17%程度ですから、金利負担の軽さが大きな魅力であることがわかります。
▼ 主要利率一覧表(日本政策金融公庫HP)
返済計画が立てやすい
また、返済計画が立てやすいのも、日本政策金融公庫の強みです。低金利であるにもかかわらず、金利が変動しない(固定金利)サービスが多く用意されています。
他にも、中小企業や創業時の心強いメリットがたくさんありますので、ご覧ください。
- 民間金融機関よりも返済期間が長い
- 無担保・無保証が中心である
- 信用保証協会の「自治体制度融資」より審査期間が短い
- 経営サポートがある(相談できる等)
今出てきました信用保証協会の「自治体制度融資」は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」と並んで、創業時によく使われる融資制度です。
日本政策金融公庫の弱み
長所と短所は表裏一体でございまして、日本政策金融公庫にも弱み・デメリットがあります。
例えば、融資金額は小さめであること。小口主体の融資となります。これは小規模事業者や創業時でも借入れやすいが故でもあります。
以下、その他の注意点をご覧ください。
- 民間金融機関と同様に、審査がある
- 業務によっては金利が高い
- 保証人が必要な場合もある
日本政策金融公庫で利用できるサービスとは?
では、実際に日本政策金融公庫から融資を受けようと思った時、どのような融資制度を利用できるのでしょうか?
日本政策金融公庫の業務内容は大きく分けて3つあります。最もご状況に合った融資制度をお探しください。
- 小規模事業者・創業時 →「国民生活事業」の融資制度
- 中小企業 →「中小企業事業」の融資制度
- 農林漁業者 →「農林水産事業」の融資制度
また、新型コロナウイルスの影響を受けた場合の融資制度も用意されていますので、お困りの場合はご確認ください。
小規模事業者・創業時 →「国民生活事業」の融資制度
小規模事業者の場合や、これから事業を始める・始めて間もない場合に利用されているのが、「国民生活事業」の融資制度です。こちら個人事業主も利用可能です。
国民生活事業の融資を受けた事業者の約9割が従業員9人以下であることからも、間口が広く利用しやすい融資制度が中心であることがわかります。
▼ 「 国民生活事業」についてより詳しくお知りになりたい場合は、こちらの日本政策金融公庫HPをご覧ください。
創業時によく利用されるのは「新創業融資制度」
創業時は、民間金融機関から融資を受けるのが現実的でないことが多く、
- 日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
- 信用保証協会を通した「自治体制度融資」
が現実的な選択肢となります。
(融資審査の通過に必要な自己資金はいくらかについてはこちらの記事で、自己資金と資本金の違いはこちらの記事で解説しております。お役立てください)
中小企業 →「中小企業事業」の融資制度
優良な中小企業であれば、「中小企業事業」の融資制度を利用することで、圧倒的な低金利で長期事業資金の融資を受けられます。
実際、融資を受けている中小企業のうち、約8割が5年超の長期事業資金を融資されています。国民生活事業に比べると融資の規模も大きく、平均融資残高は約1.3億円となっています。
ただし、中小企業事業の融資審査は、国民生活事業の融資制度よりも厳しめです。
企業規模もある程度必要であり、融資を受けている事業者の
- 8割が従業員20人以上
- 9割が資本金1,000万円以上
となっています(日本政策金融公庫HPより)。
▼ 「中小企業事業」についてより詳しくお知りになりたい場合は、こちらの日本政策金融公庫HPをご覧ください。
農林漁業者 →「農林水産事業」の融資制度
3つの業務内容の最後の一つは、農林水産事業です。農林漁業者である場合や農林水産物の加工・流通に携わっている場合は、農林水産事業の融資制度も確認しておきましょう。
融資を受けたい場合、どうすれば良いのか?
事業を営む所在地の支店に、融資を申し込みます。その後必要書類を提出し、面談・審査、融資決定の流れとなります(詳しくは日本政策金融公庫HPをご覧ください)。
不明点もあるかと思いますので、まずは日本公庫相談ダイヤルナビ(リンク先ページ下部)に相談してみるのが良いでしょう。
融資審査を通過するためのサポートを受けたい場合は、末松会計グループ創業融資サポートにお気軽にご相談ください(お問わせはこちら)。
この記事のまとめ
日本政策金融公庫の融資制度を利用すれば、中小規模の事業者様やこれから事業を始める事業者様であっても、資金調達が可能です。
金利や返済期間なども民間の銀行・信用金庫より優しい条件であり、返済計画が非常に立てやすいため、有効活用しない手はありません。
ご不安がございましたら、ぜひ私たち末松会計グループ創業融資サポートにお気軽にご相談ください(お問わせはこちら)。