COLUMN経営コラム

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【日本政策金融公庫】融資までの期間を見積もる|審査が長くなる原因

2023.03.10

融資

融資(入金)までの期間がどれぐらいかによって、事業開始や今後の事業の段取りに影響が出てくるかと思います。融資までの期間はできるだけ正確に把握しておきたいと考えるのが普通でしょう。

結論、日本政策金融公庫から初めて融資を受ける場合、申込みから融資まで3週間〜1ヶ月程度が想定されます。

しかし、様々な状況により早い遅いが出てきますので、融資を受けるまでの期間を見積もれるよう、今からもう少し詳しめに解説していきたいと思います。

併せて、融資までの流れやそれぞれの段階に要する期間にも触れていきますので、ぜひ今後のスケジューリングにお役立てください。

【日本政策金融公庫】融資までの期間はどれぐらいか?

まずは初めての融資の場合からお伝えし、その後に2回め以降の場合についてお伝えしてまいります。

パターン1:初めて日本政策金融公庫を利用する場合(初回融資)

日本政策金融公庫から融資を受けるのが初めて(初回融資)の場合は、申込みから融資(入金)までの期間は3週間〜1ヶ月程度を見積もりましょう。面談を受けてから融資(入金)までの期間なら、2週間〜3週間程度を見積もると良いです。

この、申込みから融資までの期間について、日本政策金融公庫HPでは以下のように案内されています。

ご融資が決まるまでの平均所要日数は2週間程度(土日、祝日を含む。)です。ただし、ご融資の条件などによっては、多少日数を要する場合もあります。

引用:日本政策金融公庫HP

上記の日本政策金融公庫の記載は、あくまで小規模企業・個人向けの全般的なページのものです。

初めての融資の場合は審査期間が長くなる傾向があるため、やはり先述の通り、申込みから融資までの期間は3週間〜1ヶ月程度が一般的になります(審査期間がさらに長くなる原因については後述します)。

創業融資を受ける場合

初めて日本政策金融公庫から融資を受ける場合で、特に創業融資を受ける場合は、申込みから融資までの期間は最長2ヶ月程度を見積もりましょう。

なぜかというと、「まだ始まっていない事業がうまくいくかどうかの判断は難しい」ため、審査に時間がかかるからです。既に進んでいる事業ならデータ解析が可能ですが、これからの事業は難しいです。

以上、申込みから融資までの期間が2ヶ月程度かかる見積もりであることから、創業融資の申込みのタイミングは事業開始の2〜3ヶ月前をお勧めいたします。詳しくは「創業融資の申込みタイミング」で解説しておりますので併せてご覧ください。

パターン2:2回め以降の融資を受ける場合(追加融資)

2回め以降の融資を受ける場合(追加融資)は、1回目の融資よりも、申込みから融資までの期間が短い傾向があります(1回目の返済中であれ、完済後であれ)。

具体的には、申込みから融資までの期間は2週間程度を見積もると良いでしょう。期間は、状況により長くなることもありますし、1週間程度に短くなる場合もあります(期間が長くなる原因・短くなる理由は後述します)。

融資までの流れと各所要期間

次に、日本政策金融公庫から融資を受けるまでの流れとそれぞれの段階で要する期間を把握し、今後のスケジューリングにお役立てください。

ステップ1:事前相談

日本政策金融公庫の営業時間中に問い合わせたり面談するのが難しい場合については、「土日に面談や問い合わせは可能か」で方法を解説しています。

ステップ2:申込み(書類提出)

なお、申込先は事業を営む所在地の支店です(支店一覧)。

創業計画書の作成にあたっては「運転資金の書き方」「設備資金とは?」などが役立つかと思います。必要があれば、ご参考になさってください。

ステップ3:面談【申込みから1週間程度】

いよいよ面談です。面談は、申込みから1週間程度で行われ、早いと申込みから2日程度で行われる場合もあります。早めに準備しておきましょう。

面談では創業計画書の内容について質問されますが、しっかり客観的な根拠を持って説明できるかが非常に重要になります。なぜなら、事業が軌道に乗り返済できるかの判断材料にするために質問されているからです。

その他、自己資金をどのようにして貯めたかも質問されますし(「自己資金と認められるお金」で解説しました)、普段からお金のやりくりができているかや信頼できる人間かなど、質問を通して確認されています。

ステップ4:審査

面談後、おおまかに以下の流れで審査され、融資するかどうかが決定されます。

  1. 担当者が現地を確認
  2. 担当者が書類を作成
  3. 課長決裁→支店長決裁を経て、融資決定

ステップ5:融資決定の連絡がくる【面談から2〜3週間程度】

融資決定の連絡は、面談後2〜3週間程度、早いと1週間程度で連絡が来ることもあります。

連絡方法については郵送(借用証書等の送付)です。先に担当者から連絡がある場合もあるので、郵送か電話を待ちましょう。

なお、融資を受けられない場合であっても必ず連絡はありますので、安心して連絡をお待ちください。

ステップ6:契約手続き

送られてきた契約書に署名・捺印し、返送します。契約手続きについては「融資決定後の流れ」で詳しく解説しました。

ステップ7:指定口座に入金【融資決定から1週間程度】

契約書など書類一式の返送を直ちに行った場合、融資決定の連絡が来てから指定口座への入金までの期間は1週間程度です(返送書類が公庫に到着して3営業日後に振り込まれます)。

審査期間が長くなる原因・短くなる理由

審査から融資(入金)までの期間は、長くなることも短くなることもあります。

想定外を防ぐため、この見出しもお役立てください。

■申込みから融資までの期間目安(審査が長い場合)

  • 初めて融資を受ける・・・2ヶ月程度
  • 2回目以降・・・3週間以上

審査期間が長くなる原因

以下、融資までの期間が長くなる原因と具体例をご覧いただき、当てはまるものはないかの参考になさってください。

融資までの期間が長くなる原因具体例
申込みが多い時期である
  • 例年申込みが多くなる時期(12月、3月)
  • コロナ禍など社会経済の状態が悪い
審査に時間を要する内容である
  • 新しいビジネスモデル
  • 複雑なビジネスモデル
創業計画書の内容が不十分
  • わかりづらい
  • 審査に必要な情報の不足
書類不備がある
  • 書類の再提出
大型連休を挟む
  • ゴールデンウィークなど
業績が悪い
※事業開始している場合のみ
  • 返済の目処が立つかの判断に時間を要した
担保や保証人が関係する
新創業融資制度利用時を除く
  • 担保物件の評価に時間を要した

融資までの期間が想定外に長くなるのを防ぐ対策

原因対策
申込みが多い時期や大型連休事前に把握可能
提出書類最終チェックをきっちり行う
創業計画書事業の将来性や返済能力が伝わるよう、丁寧に記載
ビジネスモデルが新しい、複雑今後の収支の根拠を明確に打ち出す、わかりやすく伝える

審査期間が短くなる理由

2回めの融資で、以下の場合は申込みから融資までの期間が短くなる傾向があります。

  • 前回の借入を順調に返済している
  • 業績が良い
  • 新たに申込んだ融資が小規模である

面談なしで電話のみになることもあり、早いテンポで融資を受けられる可能性があるでしょう(様々な状況が影響するので断言はできません)。

この記事のまとめ

初めて日本政策金融公庫から融資を受ける場合、申込みから融資を受けるまでの期間は3週間〜1ヶ月程度を見積もっていだだくと良いかと思います。「創業融資を受ける」「ビジネスモデルが複雑」などの場合は、2ヶ月程度を見積もっていただいたほうが確実です。

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※上記%は、個人信用情報に問題がある場合を除いたものです。

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。