COLUMN経営コラム

COLUMN経営コラム

税理士とは?簡単に解説|検討初期の経営者や学生向け

2022.07.14

税務

中小企業経営者の悩みとして、本来誰かに任せたい業務で忙しいというのはよくあります。

「経理や税務は専門家に任せたい。おそらく税理士に依頼するのだろうけど…」

今まで税理士が身近でなかった場合は、税理士が何をしてくれる人なのかイメージしづらいのではないでしょうか?

この記事では、「税理士とは何をしてくれる人なのか?」をできるだけ簡単に解説していきます。

わかりやすく解説しましたので、税理士という職業に興味のある学生の方にも参考になりますよ。

税理士に依頼すべき状況にある場合、税理士が経営に与える好影響は非常に大きなものです。思い描く未来に向けて、税理士をパートナーとするのかどうかこの記事を参考になさってください。

税理士とは?簡単に解説

「税理士とは税金のプロフェッショナル」それはその通りです。

この見出しでは依頼するかを考える基礎となるよう、より明確に税理士の存在意義をお伝えしていきます。

税理士とは?【依頼すると何をしてくれるのか】

税理士とは、会計・税金の専門知識を持った経営者のパートナーです。

なんだかイメージと違ったかもしれませんが、実際税理士は企業経営を助けるパートナー的存在なのです。

では具体的にどのような形で税理士は企業経営を助けてくれるのでしょうか?

税理士は主に以下について、「相談を受ける」「助言する」「業務を代行する」などのサポートを行います。

  • 資金の計画・調達・管理(財務)
  • 日々の経理業務
  • 決算書や法人税申告書の作成(税務)

さらに、税理士(税理士事務所・会計事務所)によってカラーがあり、業務効率化の仕組みなど様々なサービスを提供しています。

▼ 法律の条文を確認しておきたい場合は、こちらをご覧ください。

(税理士の使命)
第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
引用:税理士法|e-Gov法令検索

税理士と公認会計士の違い【どちらに依頼するのか?】

税理士と公認会計士、どちらに依頼すればよいのか迷われる方もいらっしゃるでしょう。実際、「税理士と公認会計士はどう違うのか?」はよくある質問です。

結論としては、財務・経理・税務に関するアドバイスや業務のサポートを受けたい場合、税理士に依頼するのが適当です。

一方、中立の立場からチェックを受けて企業会計を適正に行いたい場合は、公認会計士に会計監査を依頼します。ただし、会計監査が必要なのは会社法の要件を満たす大企業となります。

その他、一般的な違いとして以下のものがあります。

税理士公認会計士
主な顧客中小企業・個人事業主大企業
業務財務・経理・税務のサポート企業会計のチェック(会計監査)
立場企業のパートナー独立した第三者、中立
目的企業経営の改善を目指す投資家の信頼を目指す

税理士とはどのような資格・経験を持った人か?

ここまで「税理士とは?」について、仕事内容の観点からお伝えしてきました。

この見出しでは「税理士とは?」について、資格・経験の観点から、どのような能力を持っているのか解説いたします。

税理士は、税理士法で定められた国家資格です。原則として以下の試験をクリアしています。

  • 税理士試験
  • 2年以上の実務経験

※ 上記に加え、日本税理士連合会の税理士名簿への登録が必要

税理士は税理士試験に合格していることから、「会計学」「税法」の一定水準以上の専門知識があります。

具体的には、税理士試験では会計学(簿記論、財務諸表論の2科目)・税法(所得税法、法人税法など3科目選択)の試験に合格する必要があります。

また、税理士は最低2年の実務経験を積んでいることから、単に資格を有するだけでなく、必ず現場経験を積んでいることになります。

【例外】

税務署に一定期間以上勤務すると、税理士試験の一部または全部が免除され、税理士資格を得られます。

また、公認会計士・弁護士は税理士試験の全部が免除され、税理士資格を得られます。

▼ 法律の条文を確認しておきたい場合は、こちらをご覧ください。

(税理士の資格)
第三条 次の各号の一に該当する者は、税理士となる資格を有する。ただし、第一号又は第二号に該当する者については、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して二年以上あることを必要とする。
一 税理士試験に合格した者
二 第六条に定める試験科目の全部について、第七条又は第八条の規定により税理士試験を免除された者
三 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
四 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
引用:税理士法|e-Gov法令検索

▼ 税理士志望でこの記事をご覧いただいている方は、こちらの記事もご覧ください。税理士業務の年間・一日の流れや就職先についても解説しています。

【入門】税理士の仕事内容をわかりやすく解説|知らずに就職はNG

税理士に依頼できる仕事とは?

税理士とは経営者にとってどのような存在なのか、イメージできたでしょうか?

この見出しでは、実際に税理士に依頼できる具体的業務を解説していきます。

税理士にしか依頼できない業務

法律上、税理士だけが行うことを許された業務(独占業務)は3種類です。

法人税申告や税務調査の対応(税務代理)

税理士とは、税金にまつわる様々な問題から企業を守ってくれる存在であると言えます。

例えば、納める法人税の額を税務署に伝える法人税申告(法人税の確定申告)。

事業規模が大きくなればなるほど税務署も目を光らせますので、一層の正確性が要求されます。

そのようなとき、税理士に依頼すると申告精度が上がりますから、税務署に調査に入られるリスクを下げることができます。

その他、法人税申告を税理士に依頼するメリットは以下のとおりです。

  • 時間・労力を節約、経営に集中できる
  • 制度の見落としがなくなり、より節税できる

また、万が一税務調査の対象となった場合、税理士が専門家として対応してくれるのは心強い点です。

さらに、税務署の判断(更生や決定)に不満がある場合は、税理士が申し立てを代理で行ってくれます。

決算書や法人税申告書の作成(税務書類の作成)

税理士とは、決算書・法人税申告作成の代行により経営者の時間を捻出し、さらにそれらの書類に信頼性を与える存在であるといえます。

決算書・法人税申告書の作成には、会計・税務の専門知識が必要です。

経営者にとって、決算書・法人税申告書を作成する時間・労力は馬鹿にならないものです。税理士に依頼することで経営に集中でき、ミスを減らすこともできます。

金融機関からの借入で決算書等を提出する際、税理士の署名付きのチェックリストの添付を求められることもあります。決算書の信頼性を高めたい場合も税理士に依頼すると良いでしょう。

▼ 決算書・法人税申告書を自身で作成することの良し悪しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

法人(会社)の決算は税理士’なし’でできるのか?|自分で法人の決算・申告を行う方法・可能性を探る

税務に関する相談対応(税務相談)

税理士とは、税金の疑問があるときの頼れる相談相手であるともいえます。

日々の経営において、税務に関してわからないことは必ず出てくるものです。そのような時は税理士に相談することで解決できます。

税理士の依頼を検討している場合、まずは相談から始めてみるのも良いでしょう。信頼できる税理士だとわかったら、顧問契約を結ぶことも考えます。

税理士以外にも依頼できる業務

税理士以外も行って良い業務ではあるものの、税理士の専門性が存分に発揮される業務をご紹介します。

経理業務のサポート

税理士とは先述の通り、経営者が経営に集中できるよう時間を捻出する存在であるといえます。

日々の売上や仕入れの管理、従業員の給与管理、税金の計算・・・経理業務に割く時間を他の業務に回したい経営者は非常に多くいらっしゃいます。実際、経営者は経営に集中すべきです。

そのようなとき、税理士に経理業務のサポートを依頼します。経理業務を会計のプロである税理士が行うことで、経営者は時間・労力を経営に集中させることができます。

会計参与

会社の役員(会計参与)として、会社に据え置き社外に公開する重要な計算書類を作成・管理するのも税理士の仕事の一つです。

税理士とは、株主や債権者に対して企業会計の信頼を高める存在であるともいえます。

経営コンサルティング

税理士とは、財務・税金の観点から、企業経営の改善アドバイスを行うのに最適な存在でもあります。

税理士は経理業務のサポートや決算書作成、法人税申告などで企業の財務状況に非常に詳しくなります。

会計・税務の専門知識を有し、企業の財務状況にも詳しい税理士からアドバイスを受けることで、経営判断がより的確になります。

税理士に依頼する際の考え方

「税理士とは?」がわかったところで、「よし、依頼しよう!」とは簡単にはならないでしょう。費用がかかります。

この見出しでは、依頼すべきタイミングなど依頼のポイントをご紹介します。

こんな時は税理士に依頼しよう

税理士に依頼するタイミングを、わかりやすく整理しておきます。

  • 起業するとき、個人事業主から法人成りするとき
  • 売上が増え、税務処理や会計がややこしくなってきたとき
  • 経理や税務に割く時間・労力を削減し、経営に集中したいとき
  • どんぶり勘定ではなく経営状況をより正確に把握、的確な経営判断をしたいとき
  • 資金繰りを改善したいとき
  • より最適なタイミングで資金調達したいとき など

税理士に依頼するこメリットはお伝えしてきたとおりです。一方デメリットとして、どうしても税理士費用はかかります。

費用以上の恩恵を受けられそうか判断するため、まずは税理士に相談してみると良いでしょう。

税理士に依頼する際のポイント

税理士の事務所は、「税理士事務所」「会計事務所」などの名称であることが一般的です。

依頼する際は解決したい問題を明確にし、課題解決に適した事務所を選びましょう。

それぞれの事務所ごとにカラーがあり、得意分野・不得意分野があります。ホームページを確認すると、どのようなサービスに自信を持っているかがわかりますよ。

この記事のまとめ

この記事では、「税理士とは?」「依頼すると何をしてくれるのか?」を簡単に理解できるよう解説してまいりました。

  • 税理士とは、会計・税金の専門知識を持った経営者のパートナー
  • 財務・経理・税務について、相談・助言・業務代行などを引き受けてくれる

経営に集中したい、経営の質を向上させたいなどの悩みがある経営者は、税理士の依頼を検討されることをお勧めいたします。

先ほどお伝えした”得意分野”でいいますと、弊社「末松会計事務所」はITを駆使した業務効率化・経営改善に非常に強い事務所です。

  • 業績状況や財務状態をスピード感を持って把握したい
  • 会計データをいつでもどこでも確認したい

経営判断をより迅速・的確に行いたいという課題をお持ちでしたら、是非お気軽にお問い合わせください。(お問合せフォームはこちら

アバター画像

この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。