【対処法】年末調整に源泉徴収票が間に合わない|前職会社への対応も
2022年12月2日 3:48 pm

【対処法】年末調整に源泉徴収票が間に合わない|前職会社への対応も

▼ この記事が役に立つ人

  • 年末調整の担当者
  • 転職者
  • 新入社員

年末調整の際、【転職してきた従業員】や【新入社員】との間で、よく起こる問題があります。

従業員が前職の職場から未だ源泉徴収票をもらえず、年末調整に間に合わない問題です。

今から「年末調整に源泉徴収票が間に合わない場合の対応」や、「前職の会社に源泉徴収票を発行してもらう方法」をお伝えします。

ご参考いただき、少しでもストレスなく業務を進めていただけますと幸いです。

【対処法】年末調整に源泉徴収票が間に合わない

従業員から給与天引き(源泉徴収)した所得税の額は、見込額です。

ですから、最終の所得税額を確定させ、多ければ還付、少なければ追加で徴収する手続き「年末調整」が必要となります。

まず、源泉徴収票なしで年末調整はできない

しかし、転職者や新入社員の所得税額を確定させるには、”あるもの”が必要です。

それがまさに、前職での給与額や給与天引きされた所得税額(源泉徴収税額)がわかる「源泉徴収票」なのです。

源泉徴収票」がなければ、年末調整はできません(国税庁HP「中途就職者の年末調整」)。

以上を踏まえ、従業員から「源泉徴収票が提出期限に間に合わない」と相談された場合、どのよう対応が可能かをお伝えしていきます。

対処法1:税務署への提出期限ギリギリまで待つ

よくあるのは、年末調整書類の税務署への提出期限(翌年1月31日)ギリギリまで、源泉徴収票を待つ対応です(提出期限は所得税法226条記載)。

担当者と従業員で、いつまでに提出可能かを相談、調整しましょう。

たとえ会社で設定している提出期限に間に合わなくても、最終的な税務署への提出期限に間に合えば全く問題ありません。

普通、従業員の所得税額を再計算し還付や追加徴収の調整を行うのは、12月支給の給与額。提出を待ったために間に合わない場合は、翌年1月支給の給与額で調整可能です。

「どの給与が年末調整対象になるのか?」

こちら【簡単解説】年末調整の対象期間|12月分1月支払の給与は?で詳しく解説いたしました。

会社の提出期限でハッキリ締め切る対応もあり

会社の提出期限に間に合わなかった従業員分のみを、個別に対応するのが難しいこともあるでしょう。

実際、方針次第では税務署への提出期限を待たずに、会社の提出期限で締め切る場合もあります。

結局は部署の方針次第かと思います。特に問題がないようなら、従業員の負担を減らす、揉めるのを防ぐなどの観点から、ギリギリまで提出を待つのが良いでしょう。

「会社として税務署に提出する書類には何があるのか?」

こちら【わかる】年末調整で税務署に提出する書類|ミスなく業務を完了するをお役立てください。

対処法2:間に合わなければ自分で確定申告

税務署への提出期限にも間に合わない場合は、従業員自身が税務署に手続き(確定申告)を行うしかありません(国税庁HP「給与所得者で確定申告が必要な人」)。

従業員が自分で確定申告し、今年の所得税額を確定、還付を受けるまたは追加納税するよう案内しましょう。

なお、源泉徴収票が未提出であるにもかかわらず年末調整してしまった場合も、従業員自身が手続き(確定申告)し直す必要があります。

確定申告や年末調整の所轄税務署については、こちらの記事【すぐわかる】年末調整の税務署はどこ?提出先・書き方・調べ方をご参考になさってください。

【間に合わせる】前職の源泉徴収票を発行してもらう方法

もし従業員が11月入社・12月入社などで、単に源泉徴収票の発行がまだであるだけなら、問題は大きくないのですが…。

この見出しでは、従業員が「前職の会社が、いつまで経っても源泉徴収票を発行してくれない」と相談に来た場合、どのように案内すればスムーズかをお伝えしていきます。

手順1:前職の会社に発行してほしい旨を連絡する

まずは、前職の会社に対して「源泉徴収票を発行してほしい」旨連絡するよう従業員に案内しましょう。

ほとんどの場合は、この手順で解決します。連絡すれば、大抵の会社は源泉徴収票を発行してくれているようです。

法律上、退職日以後1ヶ月以内に源泉徴収票を発行するのが義務なので、遅れている場合はその旨を伝えて催促していただいて構いません(所得税法226条2項)。

手順2:税務署に指導に入ってもらう

従業員が連絡を入れても前職の会社が対応してくれない場合でも、まだ手段はあります。

「前職の会社に対して、税務署から指導が入る手続き」を、従業員に案内しましょう。

手続き名 源泉徴収票不交付の届出手続
手続き方法 源泉徴収票不交付の届出書に記入し、最寄りの税務署に郵送または持参(最寄りの税務署はこちらで検索)。
添付書類 前職の給与明細書の写し(なければ不要)

ここまでやって発行されないことは、ほぼありません。

法律に反して源泉徴収票を交付しなければ、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金の可能性があるためです(所得税法242条6項)。

ただし、前職の会社が義務を果たしている場合、つまり既に発行された源泉徴収票を従業員が紛失した場合は、この手続きの対象外となります。

前職の会社が倒産している場合は?

税務署に相談しましょう。

最終的には

などの形になるかと思います。

[倒産会社が破産手続きを行う場合]破産管財人が発行可能

もし倒産した会社が「破産」という手続きを行っている場合は、破産管財人(ハサンカンザイニン)に連絡を取れば、源泉徴収票を発行してもらうことが可能です。

破産管財人は、裁判所から選ばれ倒産会社の財産を管理する弁護士。

この破産管財人が誰かもわからないでしょうから、とにかく税務署にご相談されることをお勧めいたします(破産管財人が誰かの確認もできます)。

【年末調整書類の記入は難しい】

税が身近でない従業員の方にとって、年末調整書類の記入はなかなかの負担です。収入金額や所得金額がよくわからない場合、こちら[年末調整]収入金額の書き方|5分で終わる|所得計算ツールもを参考にしてもらってください。

【従業員への案内】確定申告を簡単にする情報まとめ

噛み砕いてお伝えしますと、確定申告は「1年間でこれだけ所得がありました。だから所得税を◯円納税します」と税務署に伝える手続きです。

従業員が不慣れな確定申告を行うのは、大変な負担です。

この見出しでは、従業員にできるだけ楽に確定申告を行ってもらうための情報をまとめました。従業員の方にこのページを送る、教えるなどしてご活用ください。

【簡単】確定申告の情報まとめ
申告の流れ 国税庁HPの申告書作成・提出の流れで確認
問い合わせ先
まとめ
【法人・個人】確定申告の問い合わせ先|最適な相談先がすぐにわかる
時期 翌年2月16日〜3月15日
提出先 自宅住所を管轄している税務署(国税庁のこちらのページで検索)
提出方法 PCまたはスマートフォン(e-Tax)、郵送、税務署窓口に持参

※ 詳細は国税庁のこちらのページをご覧ください。

なお、確定申告書作成にあたって源泉徴収票は必要ですが、平成31年から添付し提出する必要はなくなりました(こちら)。

確定申告しないと従業員の損になる

税務署に相談しながらでも確定申告を済ませるよう、従業員に案内してあげてください。

還付金があるのに確定申告を怠ると、従業員が損をしてしまいます。

逆に、追加納税が必要なのに確定申告を怠り納付が遅れると、延滞税が発生してしまいます。

この記事のまとめ

【現在の会社ができる対応】

  • 税務署への提出期限(翌年1月31日)ギリギリまで、源泉徴収票を待つ
  • 間に合わないなら自分で確定申告するよう案内

【前職の会社に源泉徴収票を発行してもらう方法】

  • 発行してほしい旨を連絡する
  • 税務署に指導に入ってもらう
  • 倒産の場合は税務署に相談

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