COLUMN経営コラム

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【日本政策金融公庫】融資決定後の流れ|不安なく手続きを

2023.03.23

融資

融資決定後にも手続きは残っています。しかし、今ひとつ全体像が掴めないのではないでしょうか?

この記事では、日本政策金融公庫での融資決定後の流れや必要書類、注意点など、手続きをスムーズかつ間違いなく進めていけるよう解説してまいります。

不安が解消され、スピード感を持って手続きを進めていただけますと幸いです。

融資決定後の流れ①融資決定の連絡がくる

面談が終わって2〜3週間程度で、融資決定の連絡が郵送で届きます(融資不可の場合も連絡有り)。

早いと1週間程度で連絡がきますが、創業融資の場合などは面談から2ヶ月弱かかることもありますので、以上踏まえてスケジューリングしてください(融資までの期間がどの程度かかるかは「融資までの期間」で詳しく解説しました)。

なお、日本政策金融公庫から届いたこの郵送物の中には、「ご契約に関する重要なご案内」「借用証書」など、契約に必要な書類が入っています。

融資決定後の流れ②【重点解説】契約書類一式を返送する

日本政策金融公庫からの融資決定の連絡が郵送で届いたら、借用証書(契約書)その他必要書類に記入・押印し、返送しましょう(持参も可)。

その際、返送書類に漏れがないよう、同封の「ご契約に関する重要なご案内」を見ながらお手続きください。

■返送するもの

  1. 借用証書(契約書)
  2. 【事前に用意】収入印紙(借用証書に貼付)
  3. 【事前に用意】印鑑証明書
  4. 【事前に用意】送金先口座の預金通帳(郵送の場合はコピー)
  5. 【事前に用意】返済用口座の預金通帳(郵送の場合はコピー)
  6. 償還金等の預金口座振替利用届(返済用口座がゆうちょ銀行以外の場合)
  7. 償還金等の自動払込利用申込書(返済用口座がゆうちょ銀行の場合)
  8. お客さまの情報の利用に関する同意書
  9. 【任意保険に加入する場合】団体信用生命保険申込書兼告知書
  10. 【必要に応じて】ご融資条件に記載された書類
■その他の事前に用意しておくべきもの

  1. ペン(消せないもの)
  2. 実印
  3. 返済用口座の届出印
  4. 連帯保証人がいる場合、連帯保証人による記入・押印・必要書類の準備

1.借用証書(契約書)

借用証書はお金の貸し借りを証明する書類であり、契約書となるものです。

以下、借用証書をスムーズに作成いただくための、大まかな流れをご紹介いたします。

  1. 署名・押印する
  2. 収入印紙を貼る(1枚で貼る。消印も忘れない)
  3. 送金依頼欄に記入する(借主名義以外は不可)
  4. 最終チェックをする(不備があると入金が遅れる可能性)

借用証書の詳しい記載方法は、日本政策金融公庫HPの動画「借用証書記入ガイド」でわかりやすく解説されています。見ながらご記入ください。

2.【事前に用意】収入印紙(借用証書に貼付)

借用証書の解説でお伝えしたとおり、収入印紙は借用証書に貼付します。事前に郵便局や法務局で購入しておくとスピード感があって良いでしょう。

必要金額は、日本政策金融公庫から届いた契約書類一式に記載があるのですが、事前に収入印紙を購入するには前もって金額を把握しておく必要があります。

融資額収入印紙の額(印紙税額)
100万円超〜500万円以下2千円
500万円超〜1千万円以下1万円
1千万円超〜5千万円以下2万円

上記以外の融資額に対応する印紙税額につきましては、国税庁HPの印紙税額一覧表の[消費貸借に関する契約書]をご確認ください。

最後に2点ほど注意点ですが、収入印紙は複数枚での合算ではなく1枚で貼ること、実印での消印を押すことをお忘れないようお願いいたします。

※補足:借用証書は印紙税が課税される文書ですので、収入印紙の購入・貼付という形で納税します。

3.【事前に用意】印鑑証明書

印鑑証明書も収入印紙と同様、事前に取得しておくとスムーズです。法人の場合は法務局、個人の場合は市町村役場で印鑑証明書を取得しましょう。

なお印鑑証明書は、借用証書に押印した印鑑が本物であることの証明として提出します。

4.【事前に用意】送金先口座の預金通帳(郵送の場合はコピー)

借用証書の送金依頼欄に記載した口座(融資金を入金してほしい口座)の、預金通帳のコピーを提出しましょう。支店窓口に持参する場合は原本を持っていき、見開きページを確認してもらいます。

注意点といたしまして、現状ネットバンキングは送金先口座に指定できません(2023年3月現在)。

なおこの送金先口座の預金通帳は、日本政策金融公庫側に誤りなく振り込みを行ってもらうために提出します。

5.【事前に用意】返済用口座の預金通帳(郵送の場合はコピー)

こちらは借入金の返済に使う振替口座の、預金通帳のコピーを提出しましょう。こちらも、支店窓口に持参する場合は原本を持っていきます。

6.償還金等の預金口座振替利用届(返済用口座がゆうちょ銀行以外の場合)

返済を口座振替で行うために、口座を指定する手続きです(償還=返済)。

2枚のうち1枚が日本政策金融公庫用、もう1枚が金融機関用です。必要事項を記入し、返済用口座の届出印を押印しましょう(押印は2枚)。金融機関に持っていき、確認印を押してもらうことも忘れないようにします。

注意点といたしまして、記入押印は必ず借入者本人が行い、口座名義も本人名義である必要があります。配偶者や子どもの名義も認められないので、気をつけてください。

ご記入の際は、記入方法が日本政策金融公庫HPの動画でわかりやすく解説されていますので、ご覧ください。

7.償還金等の自動払込利用申込書(返済用口座がゆうちょ銀行の場合)

返済用口座がゆうちょ銀行の場合は、上記の預金口座振替利用届ではなく、自動払込利用申込書を使用します。

こちらも記入方法は日本政策金融公庫HPの動画でわかりやすく解説されていますので、ご覧ください。

8.お客さまの情報の利用に関する同意書

署名し、押印します。

あなたの情報を、同意書に記載された利用目的の範囲内で、日本政策金融公庫が利用することへの同意書です。

9.【任意保険に加入する場合】団体信用生命保険申込書兼告知書

任意保険です。加入する場合にご提出ください。

団体信用生命保険はどんな保険かと言いますと、死亡や規定された高度障害になった場合に、未返済の借入金が返済される保険です。

注意点として、融資制度によっては加入できない場合があることにご留意ください。

10.【必要に応じて】ご融資条件に記載された書類

融資条件に記載された必要書類やその他指定された書類がある場合は、そちらもご提出ください。

融資決定後の流れ③融資金が指定口座に入金される

融資決定の書類が届いた後、ただちに契約書類を返送した場合ですと、融資決定から1週間程度で融資金が指定口座に入金されます。返送書類が日本政策金融公庫に到着してからの日数でいうと、3営業日後ぐらいに振り込まれることが多いです。

ただ、以下のような場合、どうしても融資金の入金が遅くなることがありますので、ご留意ください。

  • 契約書類に不備や不足がある
  • 混雑している
  • 入金が5営業日後や6営業日後になる時期もある(日本政策金融公庫HPに掲載されます)

融資決定後の流れ④毎月返済していく

借入金の返済は、原則月賦払いにて行います。

毎月決められた期日に、指定口座から引き落とされる形です。

この記事のまとめ

日本政策金融公庫での融資決定後の流れは把握いただけましたでしょうか?記事をご活用いただき、スムーズかつ間違いなくお手続きいただけましたなら幸いです。

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※上記%は、個人信用情報に問題がある場合を除いたものです。

②既に面談を終えられ事業開始後の不安がおありでしたら、末松会計グループが経営支援サービスでサポートいたします。お気軽にご相談ください(お問い合わせはこちら)。

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人末松会計事務所代表社員。税理士。 (株)FLAGSコンサルティング 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している