COLUMN経営コラム

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会計ソフト(クラウドorインストール型)の 費用の仕訳・勘定科目は何になる?

2022.06.29

経理クラウド

フリーランスや個人事業主、企業の会計処理に欠かせないのが『会計ソフト』。
しかし、会計処理をしていると、どうしても勘定科目の仕訳に悩んでしまうことはありませんか?

例えば、会計ソフトの月額の利用料や購入費。会計処理をするために使用している会計ソフトも、もちろん勘定科目の仕訳が必要です。

そこでこの記事では、会計ソフト(クラウドorインストール型)の費用の仕訳について解説します!
最後までお読みいただければ、会計ソフトの勘定科目の仕訳が理解いただけることでしょう。

仕訳は「通信費」or「消耗品費」が一般的

会計ソフトにかかった料金の仕訳は、一般的に「通信費」と「消耗品費」です。ただ、みなさんが使用されている会計ソフトの種類によって、どちらに仕訳するかが変わります。

そもそも会計ソフトの種類には、次の2種類があります。

  • クラウド型…会計ソフトをインターネット上で使用するタイプ
  • インストール型…会計ソフトをインストールして使用するタイプ

この2種類で仕訳が変わりますので、まずは使用されている会計ソフトは、どちらに該当するか?確認しておきましょう。

クラウド型の利用料の勘定科目は?

まず、クラウド型を使用する時の料金の勘定科目について、解説します。

クラウド型は、サービスの提供元からライセンスを付与されるような形態の会計ソフトサービスです。複数の端末で使用でき、簡単な書類の作成ならテンプレート等が用意されている点が特徴と言えます。いわゆる、『サブスク型の会計ソフト』とも言えるでしょう。

そのため、ライセンスを付与している期間に対して、ライセンス費用・利用料金が発生する仕組みとなっています。付与されている期間内は、毎月あるいは毎年支払いが必要です。

つまり、このライセンス費用・利用料金というのは、「通信費」が勘定科目となります。

経費計上する場合の記載は、次のとおりです。

日付 借方 貸方 備考
6/25 通信費 1,980円 普通預金 1,980円 クラウド型会計ソフトの利用料金

クラウド型の場合は、支払い時に記帳するのみとなります。仕訳上はかなり簡単ですね。

インストール型の費用の勘定科目は?

次に、インストール型使用時の料金の勘定科目について、解説します。

インストール型は、会計ソフトウェアを購入する=買い切ることでサービスを使用できます。

そのため、基本的に支払いが発生するタイミングは『購入時』のみです。その後の使用料はかからないということです。

インストール型の場合、使用できる端末に限りがあり、またアップデート時には自身でアップデートを行わければなりません。
しかし、クラウド型と比べ、インターネット環境に左右されることはなく、また複雑な会計業務を行える点がメリットと言えます。

つまり、インストール型の場合は、ソフトウェアの購入費が仕訳の対象となり、「消耗品費」が勘定科目となります。

経費計上する場合の記載は、次のとおりです。

日付 借方 貸方 備考
6/25 消耗品費 30,000円 消耗品費 30,000円 会計ソフトの購入費

インストール型の場合は、購入の支払い時に記帳するのみとなります。

1度購入したらその後の使用料がかからないので、お得に感じるかもしれませんが、クラウド型にはない注意点があります。

それは・・・インストール型の場合、「資産」として計上する場合があるということです。10万円を超えると、「ソフトウェア」として無形固定資産の勘定科目となってしまいます。そのため、減価償却も必要となるということです。

経費計上する場合の記載は、次のとおりです。

日付 借方 貸方 備考
6/25 ソフトウェア 120,000円 普通預金 30,000円 会計ソフトの購入費

さらに、年間の決算時の減価償却費は次のとおりの記載となります。

借方 貸方 備考
減価償却費 24,000円 ソフトウェア 24,000円

ちなみに、ソフトウェアの場合の耐用年数は5年 (例外あり)なので、
年間の減価償却費の計算は、単純に「ソフトウェアの購入費÷5年」です。

年度途中で事業の用に供した場合は、月割の計算が必要となります。

この記事のまとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事では、会計ソフト(クラウドorインストール型)の費用の仕訳について、解説しました。

最後にもう1度おさらいです。

  • クラウド型:ライセンス費用・利用料金が「通信費」
  • インストール型:ソフトウェア購入費が「消耗品費」

ただし、10万円以上の場合「ソフトウェア」(無形固定資産)

ということになります。

使用料をどのように払うか?が異なることで、仕訳が異なるということをお分かりいただけたでしょうか。使用されている会計ソフトが、クラウド型かインストール型かで、解釈が異なります。上記の内容を参考に、正しい仕訳をしていきましょう。

会計に携わる方々にとって、勘定科目の仕訳は本当に大変なことだと思います。しかし!こういった事例をもとに少しずつ知識を身につければ、会計処理は楽になることでしょう。この記事の内容も踏まえ、さらなる会計の知識を深めてくださいね!

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人末松会計事務所代表社員。税理士。 (株)FLAGSコンサルティング 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している