COLUMN経営コラム

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会社設立の登録免許税とは?税額や軽減策を解説
投稿日:2025.03.01
更新日:2025.04.12
経営

会社を設立する際には登録免許税を納付する必要がありますが、その金額は会社形態や資本金によって大きく異なるため、事前に正確な情報を把握することが重要です。また、特定創業支援事業などの軽減措置を上手に活用することで、登録免許税を軽減できるケースもあります。
本記事では、会社設立時に発生する登録免許税の仕組みや各社形態ごとの税額、軽減措置の活用方法、納付方法と支払い期限、さらに設立時に必要なその他の費用や専門家に依頼するメリットについて、具体例を交えながら詳しくご説明いたします。会社設立を検討されている方や、税金面での負担を抑えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしていただき、スムーズな会社設立の実現にお役立てください。
▼ この記事の内容
会社設立に必要な「登録免許税」とは?基本を解説
会社設立にあたっては、まず「登録免許税」という国に納付する税金が必要となります。ここでは、登録免許税の定義とその背景、なぜ会社設立時にこの税金が発生するのかについて、基礎から詳しく解説いたします。
登録免許税とは何か?
登録免許税とは、会社設立や不動産登記など、各種法定手続きを行う際に、国が定めた基準に基づき納付する税金です。この税金は、登記の正確性を担保し、公的な記録としての信頼性を確保するための重要な制度となっております。具体的には、登記申請に伴う事務手数料の性格を有しており、各種法務手続きの円滑な運用を支える役割を果たしています。
会社設立時に登録免許税が発生する理由
会社設立時には、設立登記申請を行うことで会社の基本情報が公的記録として登録されます。登録免許税が発生する理由は、こうした登記手続きを国が厳正に管理し、会社情報の正確な保存と公開を実現するための費用負担として位置づけられているからです。国が設けた税率や最低金額は、事業形態や資本金の規模に応じた公平な負担を促すためのものであり、企業活動の透明性と信頼性を支える重要な要素となっています。
登録免許税はいくらかかる?会社形態ごとの税額一覧
会社設立における登録免許税の金額は、会社の形態や資本金の額によって変動いたします。株式会社の場合は「資本金×0.7%」という計算方法が適用され、最低金額が150,000円に設定されています。
一方、合同会社では同じく「資本金×0.7%」ですが、最低金額が60,000円となっており、比較的低い負担で設立が可能です。また、一般社団法人の場合は一律60,000円となっており、事業形態ごとに異なる計算方法や基準が設けられていることが特徴です。
各形態の税額を把握することは、会社設立における総費用の見通しを立てるうえで非常に重要なポイントとなります。会社形態ごとの登録免許税と最低金額について、下表にまとめます。
会社形態 | 登録免許税 | 最低金額 |
株式会社 | 資本金×0.7% | 150,000円 |
合同会社 | 資本金×0.7% | 60,000円 |
一般社団法人 | 一律 | 60,000円 |
登録免許税を安くする方法はある?軽減措置・特例を解説
登録免許税の負担を軽減するためには、国や自治体が用意している特例措置や優遇制度を活用することが効果的です。ここでは、具体的な節税手段として、特定創業支援事業の活用、会社形態の選択による節税効果、そして資本金の設定の工夫について解説いたします。
特定創業支援事業を活用する(登録免許税50%減額)
一定の条件を満たす創業者向けに実施されている特定創業支援事業では、登録免許税が通常の半額となる特例措置が設けられております。これにより、創業初期の資金負担が軽減され、事業の立ち上げがよりスムーズに進められるようサポートされています。創業支援制度の詳細な条件や申請手続きについては、地域の商工会議所や専門家に相談することが推奨されます。 会社形態ごとの制度概要について下表にまとめます。
設立形態 | 通常の税率 | 通常の最低金額 | 軽減措置適用後の税率 | 軽減措置適用後の最低金額 |
株式会社 | 資本金の額×0.7% | 150,000円 | 資本金の額×0.35% | 75,000円 |
合同会社 | 資本金の額×0.7% | 60,000円 | 資本金の額×0.35% | 30,000円 |
会社形態による節税(合同会社の方が安い)
株式会社と合同会社では、登録免許税の最低額が大きく異なっております。合同会社の場合、最低税額が60,000円と設定されているため、少ない資本金でも設立が可能となり、結果として初期費用全体を抑えることができます。この点からも、事業の規模や今後の展開を考慮して会社形態を選択することが、コスト削減に繋がる有効な手段であるといえます。
資本金の設定で節約できるか?
登録免許税は、資本金に対して一定の割合が課せられるため、資本金の設定額がそのまま税負担に影響を及ぼします。必要以上に高額な資本金を設定すると、その分登録免許税の負担も増大してしまいます。したがって、事業計画や資金需要を十分に見極めた上で、適切な資本金の設定を行うことが、全体の設立費用を抑える上で非常に重要なポイントとなります。
登録免許税の納付方法と支払い期限【実務ガイド】
登録免許税の納付方法や支払い期限については、法務手続きの一環として正確に理解しておくことが不可欠です。ここでは、具体的な納付場所、支払いタイミング、そして領収書の保管方法に関して実務的な視点から詳しくご説明いたします。
どこで納付するのか?(法務局、銀行、郵便局、電子納付)
登録免許税は、基本的に法務局での手続きと併せて納付することが求められますが、その他にも銀行や郵便局、または電子納付システムを利用することで、よりスムーズに手続きを進めることが可能です。各納付方法にはそれぞれの利便性や注意点があり、電子納付の場合は時間や手間を大幅に削減できるとともに、デジタル管理による正確な記録保持が期待できます。手続きの詳細については、最新の法務局の案内や公式サイトを確認することが大切です。
支払いのタイミング(会社設立登記の申請時)
登録免許税の納付は、会社設立登記の申請時に行います。株式会社の場合の流れを例にすると、定款の作成と認証、資本金の払い込み、登記申請書類の作成、登記申請時に登録免許税を納付の順に手続きが進みます。そのため、設立手続きのスケジュール管理をしっかりと行い、支払いのタイミングを逃さないよう十分な準備と確認が必要です。具体的には、法務局に会社設立登記を申請する際に、登記申請書を提出する日が登録免許税の納付日となります。
領収書の保管方法と注意点
納付後には必ず領収書が発行されますが、これを適切に保管することは、将来的な税務調査や各種証明書類として非常に重要です。領収書は、紙媒体の場合はファイルに整理し、電子データの場合はバックアップを取るなど、紛失や改ざんのリスクを最小限に抑える管理方法が求められます。また、領収書の内容に不備がないか、発行日や金額が正確に記載されているかを確認することも忘れてはなりません。
会社設立に必要な費用一覧【登録免許税以外のコスト】
会社設立に際しては、登録免許税以外にも各種費用が発生いたします。たとえば、株式会社設立の場合、定款の認証手数料や定款印紙代、さらには司法書士や税理士への報酬など、全体として多くの初期投資が必要となります。
具体的な費用目安としては、株式会社の場合、登録免許税は150,000円、定款認証手数料が50,000円、定款印紙代(電子定款を利用すれば不要ですが)40,000円、司法書士や税理士への報酬は0円から100,000円程度が一般的な水準です。ただし、報酬が著しく低い料金設定の場合、一定期間の顧問契約の締結を条件としていることもあるため、事前にしっかりと確認しましょう。これらの費用を総合的に検討することで、予算内で効率的な会社設立が実現できるでしょう。
項目 | 費用目安 |
登録免許税(株式会社) | 150,000円 |
定款認証手数料 | 30,000円~50,000円 |
定款印紙代(電子定款なら不要) | 40,000円 |
司法書士・税理士報酬 | 0円~100,000円 |
会社設立の登録免許税を含めた手続きを専門家に依頼するメリット
会社設立に伴う各種手続きは、細かな法律知識や最新の制度を把握していなければ、手続きのミスや予期せぬ費用の発生リスクが高まります。そこで、専門家に依頼することで、登録免許税を含む各手続きを正確かつ迅速に進めることが可能となり、安心して設立準備に専念できるメリットが得られます。
手続きを間違えずにスムーズに進められる
専門家は、法人設立に関する豊富な知識と実務経験を持っておりますので、各種申請書類の作成や提出手続きにおいて、誤りを未然に防ぎながらスムーズに進行させることが可能です。これにより、設立後のトラブルリスクを低減し、安心して事業活動を開始するための強固な基盤を整えることができます。
電子定款を利用でき、印紙代40,000円を節約できる
近年では、電子定款の導入が進み、従来必要であった定款印紙代の負担を回避することが可能となっております。専門家に依頼することで、電子定款システムを活用し、不要な印紙代を節約するだけでなく、手続きの効率化を実現することができるため、全体の設立コストの削減に直結します。
融資や補助金のアドバイスも受けられる
専門家は、単に設立手続きの代行にとどまらず、今後の資金調達や各種補助金、融資の申請に関するアドバイスも提供しております。事業開始後の成長戦略を視野に入れたコンサルティングを受けることで、資金面での不安を解消し、円滑な経営スタートを切るための有力なサポートを受けることができるのです。
まとめ:登録免許税を正しく理解し、会社設立をスムーズに進めよう
会社設立における登録免許税は、会社形態や資本金の設定によって大きく異なるため、事前に正確な情報を把握することが重要です。特定創業支援事業などの軽減措置を上手に活用すれば、コストを大幅に抑えることが可能となり、また、各種手続きの専門家に依頼することで、手続きのミスを防ぎ、電子定款の活用による印紙代の節約や、融資・補助金のアドバイスといった付加価値も享受できます。
FLAGSグループは、名古屋市にて50年以上にわたり、多くの中小企業の成長を支えてきた実績を有しており、税理士、司法書士、社会保険労務士などの専門家が連携して、法人設立に伴うあらゆる手続きをワンストップでサポートいたします。さらに、設立後の税務対策や相続税対策についても、将来を見据えた戦略的なアドバイスを行い、事業の拡大や継続的な成長を実現するための最適なパートナーとして、安心かつ充実したサポート体制を提供しております。
法人化をお考えの方や新たな事業展開を計画されている方は、ぜひFLAGSグループにご相談いただき、確かな専門知識と経験に基づいたサポートを受けながら、スムーズな会社設立を実現していただければと存じます。
2025.02.28