せどり(転売)の確定申告は税理士に頼むべき? | 料金の相場、安くする方法も解説!
2021年8月29日 12:22 pm

「せどり」の確定申告は税理士に頼むべき?|料金の相場、安く抑える方法も解説!

コロナ禍の影響の一つにリモートワークの増加があります。

在宅の時間が増えたことによって、「せどり」などの副業を始めるサラリーマンが増加。消費者側もネットでの商品購入の比率が大きくなっています。

全体的に「せどり」の市場は増大傾向にあると言えるでしょう。

本記事では、副業で「せどり」を営むサラリーマンの方を対象に以下のような疑問にお答えしていきます。

  • 「せどり」の利益を申告すべきか
  • 「せどり」の利益計算をどのようにすればいいのか
  • 「せどり」の確定申告を税理士に頼むべきか否か
  • 「せどり」の確定申告を税理士に依頼するといくらかかるのか

この記事を最後までお読みいただき、「せどり」の税金で間違いをおかしたり、損をしないよう、お役立て下さい。

「せどり」とは?

「せどり」はいわゆる「転売」と同義。ネットやリサイクルショップなどで仕入れた商品を販売して利益を得ることを目的とする取引のことです。

利用される代表的なインターネットサービスとして、メルカリやヤフーオークション、Amazonなどがあります。

自宅でPCやスマホを用いて手軽に始めることができるため、サラリーマンの副業として人気があり、仕事の空き時間や余暇を利用して少なくない収入を得る方も増えています。

反面、あまりに簡単に始められることから、下のような間違いを犯してしまうケースも散見されます。

  1. ① 古物商許可が必要なのに無許可で転売行為を行ってしまう
  2. ② 違法な取引をしてしまう(チケットの高額転売・ブランド品の偽物・酒類の無許可販売など)
  3. ③ 税金の申告をせず、支払うべき税金を納付していない。または正しい税額を申告していない

上記のような取引は犯罪行為となってしまう可能性があります。そのため、「せどり(転売)」で利益を得ようとする際にはこれらのことに気をつけなければなりません。
このうち、①②はいわゆる「know how(ノウハウ)」の範疇ですのでここでは触れません。

以下の記事では、③に代表されるような、税務上の間違いを避けるための知識・情報をお伝えしていきます。

せどりの確定申告

一般的な給与所得者(サラリーマン)の場合、「せどり(転売)」による年間の利益が20万円を超えると、確定申告が必要となります。

以下、どのような方が確定申告しなければならないか、「せどり(転売)」の利益(税法では所得と言います)の計算方法について詳しく見ていきましょう。

どんな場合に確定申告が必要となるか

「せどり(転売)」をしている人が以下のような条件に当てはまる場合、確定申告をしなければなりません(※)

所得区分 事業所得 雑所得
「せどり(転売)」の営業実態 専業または専売と同等規模の副業 副業
確定申告が必要な条件 毎年必ず申告が必要 「せどり(転売)」を含めた雑所得の合計金額が20万円を超えるとき
(※) 2か所以上から給料をもらっていたり不動産収入があるなど「せどり(転売)」の収入にかかわらず確定申告が必要な場合があります。詳細は国税庁HP「確定申告が必要な方」をご参照下さい。

所得区分・事業所得・雑所得とは(用語解説)

上の表で「所得区分」「事業所得」「雑所得」という用語が出てきました。いずれも所得税法という法律上の用語です。
馴染みが薄い方のために簡単に説明します。

  • 所得区分

    所得税では、個人の所得を「給与所得」「不動産所得」「事業所得」「雑所得」などの10種に区分し、それぞれの所得を計算することになっています。(参照:国税庁HP「所得の区分のあらまし」

  • 事業所得

    事業所得は、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる利益のことです。
    ただし、不動産の貸付による収益は不動産所得として別に区分されるなど例外があります。

    次に説明する雑所得と比較して、事業所得の計算は経費・控除の面で優遇されています。また、赤字の場合は他の給与所得などと相殺することができます。申告には収支明細書などの添付が必要となります。

  • 雑所得

    年金、副業による所得などは雑所得に区分されます。

    事業所得と同じような所得の計算をしますが(後述)、申告書の記載方法はより簡便です。
    事業所得では受けられる可能性がある控除・経費の特例などが適用できず、赤字の場合は所得ゼロとみなされ、他の所得と相殺することが出来ません。

副業の「せどり(転売)」は原則、雑所得となる

「せどり」による収入は原則として雑所得となります。

もし、事業所得として青色申告できれば、家族の給与を経費として計上できたり青色申告の特別控除(10万・55万または65万円)を受ける事ができるなど有利な点があります。
ただし、副業による収益が事業所得として認められるためには、
「専業並みの収入があり」「投入している時間や物資などが事業的規模である」などの条件を満たしていることを客観的に示す必要があります。

副業として「せどり(転売)」を行っている場合、事業所得として認められる可能性は低いと考えた方がいいでしょう。

所得の計算

「せどり(転売)」で生じる利益(所得)の計算方法は、事業所得・雑所得とも基本的に同じで、以下の計算によります。

収入 - 経費 = 所得

この式の、「収入」「経費」「所得」のそれぞれについて内容を見ていきましょう。

  • 収入

    「せどり(転売)」における収入とはすなわち売上のことです。

    この他に、自分で消費した商品の仕入価格や仕入れの際に受けた値引きや仕入れに伴うリベートの金額も収入に含まれます。

  • 必要経費

    必要経費は「売上原価」とその他の「経費」に大別されます。ざっくり言うと、売上原価は仕入れ額。その他の経費は手数料や通信費などのことです。

    「せどり(転売)」の売上原価と経費について少し詳しく説明します。

    • 売上原価

      売上原価は仕入れにかかった金額のことですが、所得を計算する上では、

      『その年に売れた商品の原価だけが必要経費に算入できる』

      ということに注意して下さい。

      つまり、今年仕入れても年末に在庫で残っているものは必要経費に入れられません。逆に、前年以前に仕入れた在庫品を今年販売した場合、その仕入額は今年の必要経費に算入します。
      同じ商品を継続して転売する場合の計算は、

      売上原価 = 前年末の在庫金額 + 今年の仕入れ金額 - 今年末の在庫金額

      で表されます。

      その他の経費

      「せどり(転売)」では売上原価の他に、次のようなものが必要経費にできます。

      • サイトなどの手数料・銀行などの振込手数料
      • 梱包費用・送料
      • インターネット等の通信費
      • PC等にかかる電気代

      いずれも生活上の費用と混同しないよう、厳密に区分して計算する必要があります。

申告しないとどうなる?

確定申告はそれが必要となる納税者が自主的に行うべきものです。申告しなければならないことを知らなかったというのは、無申告の言い訳にはなりません。

確定申告を怠ると、次のようなペナルティがあります。

  • 無申告加算税(※1)

    納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額。(※2)

    (※1)仮装・隠蔽など悪質と判断された場合にはこれに代えて40%の重加算税が課せられることもあります。詳細は国税庁の文書にてご確認下さい。
    (※2)加算税が課せられない場合、軽減される場合などがあります。詳しくは国税庁HP「確定申告を忘れたとき」をご確認下さい。
  • 延滞税

    納期限の翌日から2月を経過する日まで年7.3%、2月を経過した日以後14.6%の延滞税(※3)

    (※3)税率は特例適用により、例えば令和3年分についてはそれぞれ7.3%→2.5%、14.6%→8.8%と軽減されています。また延滞税の計算対象期間についても特例があります。
    詳しい計算方法は国税庁HP「延滞税について」をご参照下さい。

ここに挙げたのは税制上の主な附加金(罰金)であり、他にも税制上のペナルティや生活上の不利益があります。

正しい納税は国民の義務です。せどり(転売)で利益を得ていながら確定申告を怠るのは大変に高いリスクを伴い、悪質と判断されれば犯罪となってしまう可能性もあることをしっかり意識しましょう。

税理士に頼むべきか?|その場合、費用の相場は?

「せどり(転売)」で生じた利益が20万円を超える場合には確定申告する必要があります。その利益の計算方法については上述のとおりです。

ここまで読んで「確定申告は難しそうだ」と感じた方も多いことでしょう。

自分で確定申告をするのが困難な場合、税理士に依頼するのも選択肢の1つです。

サラリーマンが「せどり(転売)」の収入にかかる確定申告を税理士に依頼する場合、費用の相場は概ね10万~50万円程度となります。

「10万?高い!」と思われましたか?

相場はあくまで目安です。あなたの予算の範囲内で税理士に依頼できるかどうかを考えましょう。

では、具体的にいくらまでなら税理士に依頼する意味があるのか?
もちろん人それぞれなのですが、基本的な考え方を知っておくことでより合理的な選択をすることができます。

税理士に頼むべきか、判断のポイントは3つです。

    1. 1. 単純な費用対効果

      「せどり(転売)」で得た利益を全部税理士に払ってしまったのでは何をしているのか分かりません。年間の利益が数万円くらいならば自分で申告するのが唯一の選択肢となります。

      年間利益が数十万という規模になって初めて税理士に依頼するという選択肢が生まれます。この場合も費用対効果を考えます。
      具体的には、税理士費用と以下のコストを比較します。

      • 自分で申告するために時間が奪われ、そのために減少する売上金額
      • 申告のために調べ物をしたりする労力・時間のコスト
      • 期限のある申告業務を抱えることによる精神的プレッシャー

お金に換算しにくいものもありますが、これら有形・無形のコストをなくしたり軽減する代償としてに税理士に支払える費用はいくらか、自分の状況に合わせて考えましょう。
その金額以内で引き受けてくれる税理士を見つけることができたら、依頼は検討に値します。

また、報酬金額の交渉をする際に具体的な費用対効果を意識すれば、スムーズに損のない契約を検討することができます。

  1. 2. 事業所得(特に青色申告)の場合

    専業で「せどり(転売)」を行っている場合や、副業でも事業所得として(条件を満たした上で)申告する場合には税理士に確定申告を任せるのがより有効です。

    理由は2つ。

    • 事業所得の申告は雑所得に比べて作成・提出すべき書類が多く、より手間がかかる
    • 専門知識がないと、事業所得の計算においてのみ受けられる控除などの特典を漏らす場合がある
    青色申告の場合は更に税理士の利用価値が高まる

    事業所得では青色申告を選択することが可能です。
    青色申告をすると、家族に支払う給与を経費にできたり最大65万円の所得控除を受けることができるなどさまざまな特典があります。

    青色申告では、書類作成の手間も専門知識の必要性も飛躍的に高まります。
    税理士に依頼するメリットも同様に大きくなると考えていいでしょう。

  2. 3. 節税や経営の相談をしたい!

    合法的で効果的な節税方法は税理士に任せるのが一番です。

    十分な利益をあげており、自分で申告するのもさほど苦ではないという方も、税理士に依頼することによって節税できる金額が報酬を上回ればその方がよいでしょう。

    より効果的な節税効果を求めるならば、顧問契約を結ぶのが最適です。
    年末や申告期限(通常翌年3/15)近くだけの相談では節税の手段も限られてしまいます。顧問税理士に普段から情報共有・相談をすることで、節税だけでなく商売・経営上のアドバイスを受けることもできます。

    また税理士は、弁護士や社労士・司法書士などの他士業はもとより、銀行や保険会社など豊富なコネクションを持っており、顧問契約をすれば、ほとんどあらゆる問題を相談できる心強いパートナーになります。

    ただし顧問契約の場合は、毎月の顧問料と確定申告の際の申告料がかかります。
    報酬は少なくとも年で20万~60万、規模によっては60万~100万以上になるでしょう。

このように明確な基準を意識して、税理士に依頼すべきか・報酬はいくらまで支払えるのかなど、堅実な判断をするよう心がけましょう。

税理士なしで申告するには

「せどり(転売)」の確定申告を税理士に依頼しない場合、自分で申告することになります。
その際には、以下いずれかの方法を取ることになるでしょう。

  • 税務署や確定申告会場で申告

    確定申告の時期には所轄の税務署や地域の施設などで申告のための会場が設けられます。
    こうした会場には税務署職員や委託を受けた税理士が常駐しており、資料などを持ち込めば確定申告を無料で手伝ってくれます。

    税務署や確定申告会場に出向く際には、資料をなるべく整理して(可能ならば集計表を作成して)おくこと、事前に必要書類などを確認してもれなく持参することを心がけましょう。

  • 全て自分で申告

    サラリーマンで、「せどり(転売)」の収入がさほど大きくない場合には自分で全てやってみるのもいいでしょう。
    副業の「せどり(転売)」程度ならば、自分で確定申告することはそれほど難しくありません。

    基本的な所得の計算方法は本記事でも解説しています。

    それでもご不明の点やご不安の事案については所轄の税務署に問い合わせるなどして、正確な申告をするようにしましょう。

確定申告会場では税理士や税務署職員が対応してくれます。
自分で申告する場合にも、現在はインターネットなどによる情報の取得が容易(ただし情報の新旧・正誤には注意が必要)です。

小規模の「せどり(転売)」を営む方にとって、自分で確定申告を行うハードルは下がっていると言えます。

どうやって税理士を探す?

次に、「せどり(転売)」に最適な税理士を探す方法を紹介します。

もともと顧問税理士と契約していたり、知人や繋がりのある人に信頼できる税理士がいればまずそちらに相談しましょう。

では、コネクションがない人はどうすればいいでしょうか?

「せどり(転売)」を営んでいる方にとって、もっとも手近な解決方法は「ネットで検索」です。

ネットでの税理士の探し方には大きく2種類があります。

紹介サイトを利用する

さまざまな条件に応じて税理士を紹介してくれる便利なサイトが数多くあります。サイトへの登録・税理士の紹介を無料で提供しているサービスも少なくありません。

こういったサービスを利用して税理士を探すのも有効な方法です。

googleなどの検索サイトで「税理士 紹介」と入力すれば多くの紹介サイトがヒットするはずです。

紹介サイトの上手な使い方について、一例ですがこちらの記事も参考になるかと思います。

税理士検索freeeは税理士探しに有効か? | 利用方法や税理士選びのポイントも紹介します!

税理士の報酬・料金を安くする方法!

税理士の料金が安くなれば嬉しいですし、頼みやすくなります。

「せどり(転売)」を副業にするサラリーマンが税理士に支払う報酬を下げるもっとも現実的で有効な手段はこちら。

税理士(事務所)の作業量を減らす = 自分でやる作業を増やす

これを実現するには、税理士の作業範囲を把握する必要があります。
通常の税理士・会計事務所の確定申告業務はおおむね以下のとおりです。

  1. ① レシートや請求書、預金通帳などの資料整理
  2. ② 整理した資料をもとに会計データ入力
  3. ③ 会計データから年次の収支などを計算(決算)
  4. ④ 計算した収支などから依頼人の所得・税金を計算
  5. ⑤ 所得税の申告書や付随する書類を作成
  6. ⑥ 作成した書類を税務署に提出
  7. ⑦ 書類の控えや資料を整理して依頼者に返却

このうち、①と②は素人でも比較的やりやすい作業です。
これらの作業を自身で行うことにより、税理士の負担を減らすことができ、ひいては料金の値下げにつながります。

お互いの作業範囲については税理士との契約時にきちんと決めておき、それに沿った料金で交渉しましょう。

会計データを自分で作成するには

「せどり(転売)」の売上や仕入れ・在庫管理、経費などをすべて一貫した会計データにまとめるのはかなり大変な作業です。

逆に言えば、会計データの作成をを自分でやれば税理士の負担が減り、報酬額を減らすことができるかも知れません。ですが、どうやればできるでしょうか?

エクセルなどの扱いが得意な方なら、自身で資料を作成し、所得を計算するのも有望な選択肢です。

また、無料ないしそれに近いネット上の会計サービスも年々充実しています。
有名なネット上の会計サービスであれば税理士事務所もデータの連携などに対応している場合も多く、スムーズに会計データなどを渡せるという利点があります。

どのようにして会計データを作成・提供するのがよいか(またはすでに作成しているデータがどの形式なのか)、依頼する税理士にあらかじめ相談・通知しておいた方がいいでしょう。

まとめ:せどりの確定申告は、一回、税理士に相談してみよう

せどり(転売)の収益が大きく、節税の検討など士業との関わりが欲しいなどの条件に当てはまれば、サラリーマンの副業としてせどり(転売)を営んでいる方も税理士と契約する意味があります。

税理士に支払う料金を下げるには、自分でできること・やることの範囲を拡げ、実行することが大切です。

「税理士に依頼する程ではない」とお考えの方も、一度インターネット上の無料相談サービスなどを試してみる価値はあると思います。

何より、せどり(転売)の収益を申告しないことは危険です。
確定申告の要・不要を判断するにも利益(所得)の計算は必要です。

ちょっとでも心配ならば、本記事で紹介したような方法を上手に使って税理士にコンタクトを取るようにしましょう。

弊事務所、末松会計事務所でも「せどり(転売)」にかかる確定申告のご相談を承ります。以下のリンクからのアクセスをお待ちしております。

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