COLUMN経営コラム

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マネーフォワードなどのクラウド会計とe-taxの違いは何か?|基本から解説します!
投稿日:2021.10.24
更新日:2023.04.25
経理クラウド
どんな帳簿でも昔は紙に手書きしていました。
今、経営者の皆様は帳簿をどうやって書いていますか?
30年前ならエクセルなどの表計算ソフト。それ以降なら弥生会計などの会計ソフトも一般的になりました。
そして今、時代はクラウド会計システムに移行しつつあります。
そこで、本記事では、クラウド会計の基本を説明。具体的には、クラウド会計システムの守備範囲・利点・上手な利用方法を解説します。
また、e-taxとクラウド会計の関係についても詳述します。
クラウド会計の導入を上手に行うことで、業務の効率化・事業の発展につなげる事が可能です。
- クラウド会計とは何だか、よくわからない
- クラウド会計を導入すると、どんないいことがあるのか
- 既に税理士に全て任せているが、クラウド会計を導入する意味があるのか
といった疑問をお持ちの方は、ぜひ、この記事を最後までお読みいただき、クラウド会計導入の是非についてお考えいただけたらと思います。
▼ この記事の内容
クラウド会計とは?|従来の会計ソフトとの違い
事業者および経理担当者の経理業務の簡便化・税理士などの外部協力者との連携強化、双方の要求に答えることができるのが、クラウド会計というシステムです。
有名ものに、以下、3つのサービスがあります。
クラウド会計
パソコンなどで会計データを扱う場合において従来は、会社(事業主)の会計データと税理士事務所などの外部にあるデータがそれぞれ独立しており、必ずしも一致したものではありませんでした。
クラウド会計は、インターネットを通じて、会社・税理士の双方が安全に同じ会計データにアクセスできる仕組みです。
クラウド会計には、以下のように多くのメリットがあります。
データを必要な範囲で共有できる
会計などのデータを、経営者・経理担当者及び税理士など、特定の人々の間で共有することができます。
また、多くの場合、データの種別ごとにアクセス権限を設定することが可能です。
例えば、経理担当者がアクセスできるのは取引の入力画面だけといった設定も可能です。
データの保全性
クラウドは民間・第三者のサービスですから、データの保全について不安を持たれる方も多いでしょう。
この点については、全くの素人が自分のPCにデータを保存しているのと比べれば、はるかに安全である場合がほとんどです。
もちろん、不慮の事故に備えてデータのバックアップをとっておく必要もあります。
データの漏洩がないよう、パスワードなどの厳重な管理も必要となるでしょう。
それでも、無防備な(かも知れない)会社のパソコンやサーバだけにすべての会計データを保管するより、安全な選択と考えられます。
最新の情報
市販の会計ソフトには、PCにインストールするタイプのものもあり、月額・年額◯円というクラウドサービスと比べてお手軽に感じるかも知れません。
インストールタイプのソフトは、一度、購入・インストールすれば、かなりの長期間に渡って使用することができます。
これがインストール型の最大の長所です。
しかし、税法や税務申告書の形式、会計の基準は年々改定されるのが当たり前のようになっているため、インストール型のソフトであっても更新サービスに加入したり、自身で最新の会計・税法ニュースを取得する必要が生じます。
この点、クラウドサービスでは通常、常に最新の情報を反映した処理が行われますので、心配無用です。
AI自動化(仕訳他)
人工知能(AI)の発展などにより、預金口座のデータと連動したり、レシートや請求書の画像データを解析するなどして会計データに自動的に反映させる技術がどんどん発達しています。
入力業務が軽減され、確実性を増すことにより、入力担当者(経営者・経理担当者・税理士だれでも)が、より生産的な業務に時間を割くことができるようになります。
税理士に経理業務を委託している(経理代行・入力代行)場合でも、部分的な自動化が実現できれば、これまでよりも詳細な経営分析・投資計画の策定が行えるようになることでしょう。
また、経営上の提言や判断のタイミングも早めることができます。
ここまで紹介したのは、会計ソフトの代替としてのクラウド会計サービスの利点です。
税務申告において、クラウドサービスがどのように活躍するのか、このあと見ていきます。
e-taxとは?|e-taxとクラウド会計の違い・関係
まず、国税庁が運営しているe-taxというサービスについて説明します。
e-taxは、税金の申告書などをインターネットを通じて税務署に送信するための仕組みです。
e-taxには独自のソフトがあり、e-taxを利用するにはこれをダウンロード・インストールする必要があります。
ごく大雑把に、このように理解してもいいでしょう。
サービス\守備範囲 | 会計 | 申告書作成 | 申告手続 |
---|---|---|---|
クラウド会計 | ◯ | △(※1) | △(※2) |
e-tax | ☓ | ◯ | ◯ |
つまり、多くの場合、クラウド会計サービスの守備範囲は会計処理まで。税務の範囲は税理士に任せざるを得ないのが現状です。
また、e-taxは会計処理サービスではない。
そもそも、会計の機能が備わっていません。
個人事業であっても、確定申告のためにはきちんとした会計処理を行う必要があります。
従業員がおらず、売上が1千万未満くらいの個人事業主など、一部の方はクラウドサービスとe-taxを利用してすべて自身で行うのもありかもしれません。
それも、充分に時間があればの話です。
しかし、それ以上の規模で事業を行う方は、税理士に会計や税務申告を依頼すべきと考えます。
なぜなら、会計や税務をすべて自身で行うのは、ある程度の規模の事業体では不可能だから。
そして、会計・税務申告書作成・申告手続の全てを代行できるのは税理士だけなのです。
クラウド会計ソフト・サービスの選び方
クラウド会計サービスには色々なものがありますが、料金やプランなどは年々改定されるため、ここでは選び方として紹介しないことにします。
基本的な考え方として、コストパフォーマンスが重要であることは確かなので、その点は逐次、ご確認いただけたらと思います。
顧問税理士ありの場合
契約している顧問税理士がいるのであれば、その顧問税理士事務所が推奨するサービスに合わせるのが賢明です。
税務申告や手続きは税理士が代行してくれますので、e-taxのことは、ほとんど意識する必要がありません。
もしも、既に使用している会計ソフトやクラウドサービスがあり、変更に抵抗があれば、税理士と相談しましょう。
大抵の場合、税理士の方がそのシステムにも対応できる・または税理士推奨のシステムに移行するサポートをしてくれるということになると思います。
自分で申告(税理士を介さない)
規模の小さな個人事業主の方など、税理士を必要としない方は、クラウド会計サービスとe-taxを連動してご自身で申告するのもいいでしょう。
ほとんど全てのクラウド会計サービスは、e-taxで送信可能なデータを作成可能です。
この場合、会計サービスは、ご自身で使いやすいもの、料金の安いものなどを選んで使いましょう。
ただし、クラウド会計サービスやe-taxを利用したからといって、申告の内容が正しいという保証にはなりません。
確実な税務申告のためには、正しい・最新の知識を持った税理士に依頼するのがやはりベストな選択です。
まとめ:クラウド会計サービスの便利さを知って、事業に活用しましょう
税理士事務所との連携において、会計データをクラウドで共有することは大きなアドバンテージです。
リアルタイムに近い状態で会計データを共有しているため、経営者・税理士双方が、迅速な分析・検討・提言・判断を行うことができるというのが一つ。
また、会計をクラウドで処理する事によって、クラウド技術の可能性に気づき、他の分野にも応用できるかも…という可能性も見逃せません。
最初は抵抗や恐れがあるかも知れませんが、税理士事務所などに助言をもらいながらであれば、安心してクラウド会計を取り入れる事ができます。
本記事をお読みいただいたこの機会に、クラウド会計の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
末松会計事務所では、クラウド会計をご検討の方のご相談をお待ちしています。
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