任意整理の費用相場は、依頼する弁護士事務所や司法書士事務所によって異なります。
任意整理とは、お金を借りた側(債務者)と貸した側(債権者)で直接交渉し、返済額の減額や返済方法の見直しを行う手続きです。
クレジットカードのリボ払いやカードローンの多重債務で返済に困っており、家族に知られずに解決したいなら、法律の専門家に相談するのがおすすめ。
弁護士や司法書士に任意整理を依頼すれば、貸金業者からの催促や取り立てが即ストップされます。
とはいえ弁護士や司法書士に依頼すると、どれくらい費用がかかるのか、高額なら支払えないと不安を抱えている人も多いです。
本記事では任意整理にかかる費用相場や内訳、費用を安く抑えるコツを解説します。
手元にお金がない人や払えなかったときの対処法も紹介するので、返済が苦しい人は参考にしていち早く悩みを解決しましょう。
任意整理費用の相場は借入先1件につき5万円前後
任意整理にかかる費用の相場は、お金を借りている金融会社1社につき5万円前後かかります。
任意整理とは銀行や貸金業者と交渉して利息をカットし、毎月の支払いを軽減してもらう手続きです。
任意整理を弁護士に依頼すると、債務者に代わって弁護士が借入先1件ごとに、利息の軽減に応じてもらうための直接交渉をします。
お金を借りている金融業者が2件なら5万円×2件で10万円が相場です。
借入先が3件なら5万円の3倍の15万円、4件なら5万円の4倍の20万円と、借入先の数が多ければ多いほど費用の総額も高額になります。
あくまでも費用の相場なので、思っていたよりも任意整理にかかる費用が高くなるケースも。
任意整理の費用の内訳の単価は、弁護士事務所や司法書士事務所によって異なるため、事前に公式サイトで調べておきましょう。
任意整理にかかる費用の内訳は弁護士によって異なる
任意整理にかかる費用は、弁護士事務所によって内訳の単価が異なります。
任意整理の費用の内訳と相場は以下の通りです。
| 費用の内訳 | 費用相場 | 詳細 |
|---|---|---|
| 相談料 | 無料~1万円程度 | 債務整理に関する法律相談を行う際の費用 |
| 着手金 | 1社当たり5万円~10万円程度 | 弁護士に債務整理を依頼する際に発生する費用 |
| 解決報酬金 | 1社当たり2万円程度 | 案件が成功した際に支払う費用 |
| 減額報酬金 | 減額分の10%程度 | 交渉によって元金が減額できたときに支払う費用 |
| 過払い報酬金(過払い金がある場合のみ) | 回収額の20%以下 | 利息制限法による利息の引き直しで過払い金が戻ってきたときに支払う費用 |
| 実費 | 5,000円~1万円程度 | 切手代・印紙代・交通費など |
任意整理に関して法律相談をする際、一般的には相談料がかかるものの、初回の相談料を無料にしている事務所が多い傾向です。
相談者の現在の借金総額がいくらなのか、毎月の収入はどの程度かなど、さまざまな情報から行うべき手続きについてアドバイスを受けられます。
着手金は弁護士に依頼する際に必要な費用として必ず支払いますが、交渉がうまくいかなくても返金されません。
解決報酬金は交渉が解決したときに支払う費用で、1社当たり2万円程度です。
減額報酬金は交渉によって元金が減額できたときに支払う費用で、減額分の10%程度と決められているため手元に戻ったお金で支払えます。
最初から用意する必要がないので、費用が心配な人でも任意整理を依頼しやすいです。
任意整理で過払い金の返還を受けたときは、回収額の20%以下の過払い報酬金を支払います。
過払い金とは、かつて利息を決める2つの法律の間に差があったために発生した、余分な利息です。
本来払わなくて済む利息のため、計算の上で債権者と交渉すれば取り戻せます。
相談料と着手金は債権者との交渉前に支払わなければならず、交渉する金融業者の数に応じて費用が増えていく仕組みです。
費用が不安なときは相談に乗ってもらえる可能性もあるので、一度電話で対応可能か問い合わせ、依頼する弁護士事務所や司法書士事務所を決めましょう。
任意整理以外の債務整理にかかる費用は裁判所が関与するため高額になる
債務整理は任意整理以外に個人再生と自己破産があり、それぞれの費用の相場は以下の通り異なります。
| 手続き方法 | 費用の相場 |
|---|---|
| 個人再生 | 50万円~90万円 |
| 自己破産 | 50万円~130万円 |
個人再生と自己破産は任意整理と異なり、弁護士や司法書士費用だけでなく裁判所費用も必要です。
個人再生の費用の内訳は以下の通りです。
| 費用の種類 | 相場 |
|---|---|
| 弁護士費用 | 50万円~60万円程度(報酬込み) |
| 裁判所費用 | 数万円~30万円程度 |
自己破産の手続きは以下の3種類あり、それぞれ費用の目安も異なります。
| 手続きの種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 同時廃止 | 50万円程度 |
| 管財事件 | 100万円~130万円程度 |
| 少数管財試験 | 70万円~80万円程度 |
個人再生と自己破産は裁判所が関与するため、任意整理にかかる費用よりも高額です。
支払額の減額効果も考慮しながら、専門家と相談して無理のない方法で債務整理を行いましょう。
個人再生は50万円~90万円の費用が相場
個人再生にかかる費用の相場は50万円~90万円程度です。
個人再生とは裁判所に借入金返済スケジュールの再生計画を提出し、認可決定を受けて借金を減額する手続きです。
個人再生の手続きを行うと、返済額を5分の1から10分の1に軽減できる可能性があります。
減額後の借入残高は原則3年~最長5年で返済しなければいけません。
期限内に返済する必要があるため、収入を得ている人が選べる債務整理の方法です。
自己破産と異なり、住宅ローン特則を利用すれば家を手放さずに済む可能性もあります。
個人再生には弁護士費用と裁判所費用が必要で、弁護士費用の内訳と相場は以下の通りです。
| 内訳 | 費用相場 | 詳細 |
|---|---|---|
| 相談料 | 無料~1万円 | 債務整理に関する法律相談を行う際の費用 |
| 着手金 | 30万円程度 | 弁護士に債務整理と依頼する際に発生する費用 |
| 解決報酬金 | 20万~30万円程度 | 交渉が成功した際に支払う費用 |
| 過払い報酬金 | 回収額の20%程度 | 利息制限法による利息の引き直しで過払い金が戻ってきたときに支払う費用 |
| その他 | 3万円~5万円程度 | 交通費・郵便代・裁判所の手数料 |
弁護士に支払う費用は、報酬込みで総額50万円~60万円程度かかります。
裁判所費用の内訳は以下の通りです。
| 内訳 | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| 申立手数料(収入印紙) | 1万円程度 | 個人再生を申し立てる際の手数料 |
| 予納金(官報掲載料) | 1万2,000円~1万4,000円程度 | 裁判所に納める費用 |
| 郵券代 | 3,000~5,000円 | 有権者へ通知するための費用 |
| 個人再生委員の報酬※ (分割予納金) |
15~25万円程度 | 個人再生委員が選任されたときに必要 |
※個人再生委員が選任された場合
裁判所費用は地域の裁判所によってさまざまです。
裁判所によっては個人再生委員が選任される場合があり、報酬を支払う可能性もあります。
個人再生委員は個人再生の手続きを行う際に、裁判所のサポートや申立人の監督をする役割を負う人です。
個人再生の費用は任意整理に比べて大幅に上がり、弁護士事務所によって単価も異なります。
法律事務所に依頼する際は、事前に必要な費用を確認しておきましょう。
自己破産にかかる費用は50万円~130万円が目安
自己破産にかかる費用は50万円~130万円が目安になります。
自己破産とは裁判所に申し立てて借金返済を免除してもらう手続きで、家や車などの財産を処分して借入先の返済に充てなければいけません。
自己破産には個人再生と同様、弁護士費用と裁判所費用が必要です。
自己破産の手続きには以下の3種類あり、手続きの種類によって費用の目安も異なります。
| 自己破産の種類 | 弁護士費用 | 裁判所費用 | 総費用の相場 |
|---|---|---|---|
| 同時廃止 | 50万円程度 | 1万円~3万円 | 50万円程度 |
| 管財事件 | 50万円~80万円程度 | 50万円程度 | 100万円~130万円程度 |
| 少数管財試験 | 50万~60万円程度 | 20万円程度 | 70万円~80万円程度 |
同時廃止は一定以上の財産がなく、借り入れの理由に問題がないと判断された人に適用されます。
管財事件は破産管財人が選任される手続きで、法人や一定以上の財産があり、借り入れの理由に問題があると判断されたときに適用される手続き方法。
同時廃止の費用の相場が総額50万円前後に対して、管財事件は裁判費用だけで50万円程度と高額です。
少額管財事件は、財産の調査や処分を簡略化した管財事件の手続きで、弁護士を依頼した場合に利用できます。
どの手続きになるかは、借り入れの理由や財産の状況から裁判所が決定する仕組みです。
弁護士費用の内訳と費用は以下の通り。
| 内訳 | 費用相場 | 詳細 |
|---|---|---|
| 相談料 | 無料~1万円 | 債務整理に関する法律相談を行う際の費用 |
| 着手金 | 30万~50万円程度 | 弁護士に債務整理と依頼する際に発生する費用 |
| 解決報酬金 | 20万~30万円程度 | 交渉が成功した際に支払う費用 |
裁判所費用の内訳は以下の通りです。
| 内訳 | 費用 | 内容 |
|---|---|---|
| 申立手数料(収入印紙) | 1,500円程度 | 自己破産を申し立てる際の手数料 |
| 予納金(官報掲載料) | 1万円~1万5,000円程度 | 裁判所に納める費用 |
| 引継ぎ予納金 (破産管財人報酬) |
管財事件:50万円程度 少額管財事件:20万円程度 |
管財事件・少額管財事件の際に必要な破産管財人の報酬 |
| 郵券代 | 3,000~5,000円 | 有権者へ通知するための費用 |
| 個人再生委員の報酬※ (分割予納金) |
15~25万円程度 | 個人再生委員が選任されたときに必要 |
※個人再生委員が選任された場合
自己破産は弁護士費用だけでなく裁判所費用を納めなければいけないため、任意整理と比較して費用が高額になります。
個人再生や自己破産を選べば返済の悩みは解決できるものの、今後の生活におけるデメリットもあるので、法律に詳しい弁護士に適した方法を相談しましょう。
任意整理の費用を安く抑えたいときのコツ3選
返済額を減らすだけでなく、任意整理の費用を安く抑えたいときのコツは以下の3つです。
- 無料相談や法テラスを利用する
- 複数の法律事務所を比較する
- 司法書士に依頼する
無料相談をしている法律事務所や法テラスを利用すると、任意整理の費用を抑えられます。
法律事務所によって任意整理の費用は異なるため、複数の事務所の見積もりを比較して納得して選ぶのがおすすめ。
弁護士ではなく司法書士に依頼すれば費用が安く済むので、任意整理をする人は司法書士の利用も検討しましょう。
無料相談をしている事務所や法テラスを利用する
借りたお金の返済で悩んでいる人は、無料相談をしている事務所を利用すれば任意整理にかかる費用を節約できます。
初回に限り30分~1時間無料で相談を受け付けている弁護士や司法書士事務所が多い傾向です。
任意整理を行う際に法テラスを経由すると、任意整理の費用を抑えて依頼できる可能性もあります。
法テラスとは日本司法支援センターを指し、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所です。
経済的に困窮しており、収入が一定額以下の人を対象に法的支援を行っています。
法テラスを利用するメリットは以下の通りです。
- 同一相談なら30分3回まで無料
- 弁護士や司法書士に依頼する費用の立替
- 通常より安い成功報酬で依頼できる
法テラスは電話による相談も行っています。
法テラスを利用できる人は、収入や資産など一定基準を満たす人に限定されているため、事前に利用できるか確認しましょう。
法テラスのサポートダイヤル:0570-078374
受付時間:平日9:00~21:00 土曜日:9:00~17:00
複数の事務所の見積もりで総額を比較する
法律事務所によって任意整理の費用は異なるので、複数の事務所の見積もりを見て総額を比較しましょう。
任意整理を行う際、着手金や成功報酬の金額は債権者の数に応じて変動するからです。
着手金が低めに設定されていても、事務所ごとに決められている成功報酬によって支払う金額が異なります。
債権者の数に応じて着手金が変動する弁護士が多く、対応する金融業者が多ければ多いほど費用を割引する事務所もあり、公式サイトの情報のみでは比較が難しいです。
法律事務所によって報酬体系が違うので、事前に見積もりを出してもらい、弁護士費用がトータルでいくらかかるのか説明してもらいましょう。
弁護士ではなく司法書士に依頼して費用を安くする
任意整理の手続きは、弁護士ではなく司法書士に依頼すれば費用を安くできます。
任意整理における費用の相場は以下の通りです。
| 内訳 | 弁護士の費用相場 | 司法書士の費用相場 |
|---|---|---|
| 相談料 | 無料~1万円 | 無料~5,000円 |
| 着手金 | 1社当たり5万~10万円程度 | 1社当たり2~5万円以下 |
| 解決報酬金 | 1社当たり2万円以下 | 1社当たり2万円以下 |
| 減額報酬金 | 減額分の10%程度 | 減額分の10%程度 |
| 過払い報酬金 | 回収額の20%以下 | 回収額の20%以下 |
弁護士はすべての法律業務を取り扱えますが、司法書士は1社につき140万円以内の任意整理しか依頼を受けられません。
訴訟が必要な場合や過払い金が140万円を超えるケースにも対応できる弁護士の方が、費用は高くなる傾向です。
報酬金は弁護士費用とあまり変わらないものの、司法書士の方が着手金は安く依頼できます。
中には着手金無料で依頼を受ける司法書士事務所も存在するので、料金体系を確認して費用が抑えられる事務所に依頼しましょう。
日本弁護士連合会によって、解決報酬金は1社当たり2万円以下と定められています。
とはいえ着手金に上限がなく、弁護士費用は司法書士より高額設定も可能です。
債務整理の弁護士報酬のルールについて
弁護士に事件を依頼するときの報酬額には一律の基準はありません。
それぞれの弁護士が自分の報酬基準を持っています。その基準にしたがって、具体的な報酬額を依頼主との協議により自由に取り決めることができます。しかし、債務整理事件とこれに伴う過払金請求事件に関しては、これまで一部の弁護士に不適切な事件処理や報酬の請求を行う例が見られました。そこで、日弁連は、2011年2月の臨時総会で、一定の範囲の債務整理事件における弁護士報酬の上限を定めるなどのルール「債務整理事件処理の規律を定める規程」を定めました。2011年4月1日以降に弁護士が受任した債務整理事件は、このルールにしたがうことになります。
引用元:日本弁護士連合会
任意整理は裁判所を通さずに債務者と直接交渉できるため、借金額が1社あたり140万円以内なら司法書士事務所を利用しましょう。
任意整理の費用を今すぐに支払えそうにないときの対処法4つ
法律事務所に相談したくても、任意整理の費用が支払えそうにないときは以下の対処法を検討しましょう。
- 分割払いや後払いに対応している事務所を選ぶ
- 借金の取り立てがストップしている間に返済分を貯める
- 法テラスの民事法律扶助制度を利用する
- 任意整理を自分で交渉する
今すぐに支払えるお金がなくても、分割払いや後払いに応じている法律事務所を選べば、任務整理について借入先に交渉してもらえます。
弁護士や司法書士に任意整理の依頼をすると受任通知が債権者に送られ、法律によって支払いを一時的に止められるので、その間に返済分を用意しましょう。
経済的に余裕がない人は、一定の条件を満たせば法テラスの民事法律扶助制度を利用できます。
弁護士や司法書士の費用を抑えたい人は、任意整理を自分で借入先と交渉する方法も選択可能です。
ただし借金返済について、借入先との交渉がうまくいかない可能性が高いので、よく考えて検討しましょう。
分割払いや後払いが可能な弁護士を選ぶ
任意整理の依頼時にかかる費用の分割払いや後払いが可能な弁護士を選ぶと、支払いしやすくなります。
弁護士に借金返済の相談したを結果、任意整理すべきと判断して契約を結ぶと、着手金をすぐ支払わなければいけません。
借り入れした金融会社1社につき、着手金の相場は5万円程度です。
複数社に対して任意整理を依頼すると数十万円を超えるため、弁護士側も依頼者がお金に困っているのは理解していて、分割払いに対応してくれるケースもあります。
複数の法律事務所に見積もりを依頼しつつ、費用の分割払いや後払いに対応しているか確認してから、依頼する事務所を選びましょう。
受任通知で催促がストップしている間に返済分を用意する
任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると一時的に督促を受けなくなるので、催促がストップしている間に返済分を用意しましょう。
弁護士や司法書士が送る受任通知には法的な効力があります。
受任通知が届くと債権者は債務者に対する取り立てが禁止され、催促を辞めなければいけません。
受任通知とは、弁護士や司法書士が依頼者の代理人になったと債権者に知らせる通知です。
任意整理が終了するまで3か月以上かかるため、返済が止まっている間に返済する予定のお金をストックできます。
例えば毎月の返済額が10万円の場合、3か月で30万円は手元に残る計算です。
任意整理の手続き終了後に返済が再開するので、再開までの間は返済に充てていたお金を着手金や今後の返済分として貯めておきましょう。
経済的に余裕がない人は法テラスの民事法律扶助を利用する
経済的に余裕がない人は、法テラスが提供する民事法律扶助制度を利用しましょう。
民事法律扶助業務とは、経済的に余裕のない方などが法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、必要な場合、弁護士・司法書士の費用等の立替え(「代理援助」、「書類作成援助」)を行う業務です。
引用元:民事法律扶助制度│法テラス
法テラスの民事法律扶助制度の内容は無料の法律相談や必要に応じた費用の立替業務で、弁護士費用を安く利用できる可能性も。
分割で弁護士費用を支払うと月5,000円~1万円程度で抑えられるため、金銭的な負担が軽減されます。
ただし法テラスを利用する際は、一定の収入の基準を満たさなければいけません。
家族構成に応じて、毎月の収入基準が以下の金額を下回っていれば法テラスに相談できます。
| 家族人数 | 月収基準 |
|---|---|
| 単身者 | 182,000円以下 |
| 2人家族 | 251,000円以下 |
| 3人家族 | 272,000円以下 |
| 4人家族 | 299,000円以下 |
家賃や住居ローン、医療費などのやむを得ない支出があるなら、支出分を基準に加算できます。
資産基準の上限額は以下の通りです。
| 家族人数 | 資産基準 |
|---|---|
| 単身者 | 180万円以下 |
| 2人家族 | 250万円以下 |
| 3人家族 | 270万円以下 |
| 4人家族 | 300万円以下 |
詳細な条件や申請方法については、法テラスの公式サイトや窓口で確認できます。
借りたお金の返済に困っているものの、任意整理の弁護士費用が支払えないほど経済的に苦しい人は、法テラスの制度を検討しましょう。
任意整理について自分で債権者と交渉する
弁護士や司法書士に支払う費用を抑えたいなら、任意整理について自分で債権者と交渉する方法もあります。
自分で債権者と交渉すれば債権者へ送付する際の郵便代と印刷代のみで済みますが、以下のデメリットもあるため慎重に判断しましょう。
- 債権者からの取り立てをストップできない
- 債権者との減額交渉がうまくいかない可能性はある
弁護士や司法書士に任意整理を依頼して受任通知が借入先に届くと、債権者は債務者に対して取り立てができません。
しかし自分で対応するときは受任通知を送付しないため、取り立てが続きます。
任意整理の交渉をしている間も返済を続けなければならないため、滞納のリスクも高いです。
専門家と違って法律的な知識が少なく、債権者が交渉に応じてくれないケースがほとんど。
交渉に失敗すれば任意整理自体ができず、交渉に応じてもらったとしても手続きでつまづく可能性があります。
任意整理を成立させるためには、法的知識のある経験豊富な弁護士や司法書士の交渉力に頼りましょう。
任意整理の費用5万円をかけてまで弁護士に依頼するメリット4つ
任意整理にかかる費用の相場5万円程度をかけてまで、弁護士に依頼するメリットは以下の通りです。
- 任意整理の費用よりもカットできる金額が大きい
- 受任通知で催促や支払いを停止できる
- 送金代行の依頼もできる
- 任意整理が無理なら別の方法による債務整理に切り替え可能
弁護士に支払う任意整理の費用よりも、借金の利息をカットできる金額が大きければ金銭的に損をしません。
弁護士に依頼すれば債権者に受任通知が届き、債権者からの催促や支払いをストップできます。
弁護士が任意整理の代行をすれば、面倒な債務者への送金代行の依頼も可能です。
任意整理が難しいと判断された場合でも、弁護士なら裁判所に出向く必要のある個人再生や自己破産に切り替えられます。
返済に困っている人は債務整理のメリットを確認して、依頼するか検討しましょう。
任意整理の費用よりも利息の方がカットできる
弁護士に依頼すると、任意整理にかかる費用よりも、将来払うべき利息をカットできる効果の方が高い可能性もあります。
任意整理でカットされる可能性がある利息は以下の通りです。
- 将来利息
- 経過利息
- 遅延損害金
将来利息とは現時点の借入総額に対して、和解契約成立から完済まで支払い続ける予定の利息を指します。
経過利息は最後に返済してから、債権者との和解契約が成立するまで発生した利息です。
遅延損害金とは借金の返済が遅れた際に発生する賠償金で、年率20.0%を上限として設定されています。
借金の返済が滞ってしまうと、将来支払い続ける予定の利息と賠償金が多額になりがちです。
例えば年18.0%で50万円の借り入れがあり、返済に5年かかる予定なら、5年間で発生する利息だけでも261,800円程度の支払いが発生します。
将来利息のカットで261,800円程度の支払額を減らせる上に、経過利息や遅延損害金も含めると、任意整理にかかる費用を支払っても負担軽減効果の方が高いと予想可能です。
現在の借り入れによって発生する利息が任意整理の相場よりも高いなら、弁護士や司法書士に依頼して手続きを開始しましょう。
受任通知で債権者からの催促や支払いをストップできる
弁護士が代理人になると、受任通知によって金融機関や貸金業者など債権者からの催促や支払いをストップできます。
借金を滞納してお金が手元にない状態で、債権者から催促を受け続けるのは精神的に辛いです。
弁護士が債務者の代理人になったとを知らせる受任通知を債権者に送ったら、債権者は受け取らなければいけません。
受任通知の受け取り以降は任意整理の和解成立に向けた交渉から督促の対応まで、債権者とのやり取りはすべて弁護士が行います。
債権者との関わりが最小限なら、精神的な負担も軽減可能です。
受任通知の受け取りによって督促を停止しなければならないルールは、貸金業法第21条1項9号に定められており、債権者は法律を必ず守らなければいけません。
貸金業法
(取立て行為の規制)
第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。九 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
引用元:e-GOV「貸金業法」
受任通知が到着した後も取り立てをすれば、債権者は行政処分や刑罰の対象となります。
受任通知が届くと債権者からの取り立てや督促が止まるため、精神的な負担を軽減したい人も任意整理を検討しましょう。
送金代行の依頼も可能
任意整理を弁護士に依頼すれば、債権者に支払う送金代行の依頼もできます。
返済代行とは任意整理をして毎月返済する際に、任意整理を依頼した弁護士に送金手続きの管理をしてもらう方法です。
任意整理の返済は、原則として債務者本人が銀行振り込みをしなければいけません。
弁護士に送金代行してもらえば、自分で支払う手間が省けます。
返済代行なら債権者からの連絡や郵便物が自宅に送られないため、家族に知られる心配がありません。
ただし送金代行を依頼すると、債権者1件につき振込手数料を含む費用が1,000円程かかります。
家族に知られたくない、返済に関する精神的な負担を軽減したい人は送金代行を利用しましょう。
任意整理以外の債務整理に切り替えられる
任意整理での支払いが難しくなったとき、弁護士に依頼していれば任意整理以外の債務整理に切り替えられます。
任意整理から自己再生や自己破産への切り替えを検討するケースは以下の通りです。
- 借入総額が多い
- 任意整理後の返済が厳しくなった
任意整理で軽減されるのは和解成立後から完済までに発生する利息で、元金は返済しなければいけません。
借入総額が多額で3~5年以内に完済できないなら、個人再生や自己破産を選ぶと元金の軽減や支払い義務がなくなるといった効果が期待できます。
ただし個人再生や自己破産に変更すると、任意整理にかかった費用は戻らず、費用が上乗せになるデメリットも。
借入総額が多いときは、任意整理を始める前に専門家としっかり相談して、適した方法で債務整理を行いましょう。
個人再生や自己破産は裁判所での手続きが必要になりますが、万が一任意整理後の返済途中で支払いが難しくなっても、弁護士に依頼していれば手続きがスムーズです。
任意整理の費用について依頼前に知っておきたい3つのQ&A
任意整理の費用について弁護士に依頼する前に知っておきたいQ&Aは、以下の通りです。
- 任意整理に向いている人は?
- 任意整理をするとブラックリストに登録される?
- 任意整理しても返済ができない場合は?
任意整理に向いているタイプは、安定した収入があり3~5年以内で完済できる見込みがある人です。
任意整理をすると、ブラックリストとして事故情報が登録されるのはデメリット。
クレジットカードが使えなくなったり、新たにローンが組めなくなったりします。
任意整理をしたにもかかわらず返済ができない人は、再和解するか他の債務整理に切り替えましょう。
任意整理を検討した方がいいタイプは?
借金の返済が難しくなり債務整理を考えている人で、任意整理を検討した方がいいタイプは以下の通りです。
- 安定した収入があり、3~5年以内に借入総額の完済が見込める
- 持っている財産を手放さずに今ある借り入れを完済したい
- 返済の滞納で金融会社からの取り立てに困っている
任意整理の返済期間は基本的に3〜5年とされているため、債務者に安定した収入があり借金の返済が見込めるなら検討する余地があります。
今後も返済していく意思がなければ債権者は交渉に応じてくれません。
自宅や車など財産を維持しながら、借り入れの問題を解決したい人は弁護士に任意整理を依頼するのがおすすめです。
返済の滞納で金融会社からの取り立てがきつく精神的に困っている人も、任意整理について弁護士に相談しましょう。
任意整理をするデメリットは事故情報が登録される点
任意整理をすると事故情報として信用情報機関に登録されます。
信用情報機関は、個人の借り入れやローンの利用に関する記録である「信用情報」を集めて保管している機関です。
信用情報機関に任意整理の情報が記録されている状態を例えて、ブラックリスト入りしていると言います。
いわゆるブラックリストに登録されるデメリットは以下の通りです。
- クレジットカードの審査に通らない
- ローンが組めなくなる
- 携帯電話の分割購入ができない
- 賃貸契約の審査に通らない可能性がある
信用情報機関に登録されると信用を失うため、返済能力があるとは認めてもらえず、クレジットカードやローンが利用できなくなります。
任意整理の情報の回復には5年~10年程度かかるため、支払い完了してもクレジットカードやローンに申し込めないケースがあると理解しておきましょう。
とはいえ61日以上または3か月以上の長期延滞をしていれば、すでに信用情報機関に事故情報が登録されている状態です。
任意整理をしたとしても状態はあまり変わらないため、返済に困っているなら任意整理を検討しましょう。
任意整理しても返済ができなくなった場合はどうする?
任意整理をしたけれど、病気やケガといった急な出費で計画通りに返済ができなくなった場合は、債権者や弁護士に相談して再和解を検討しましょう。
任意整理後の返済計画が守れなければ、遅延損害金がかかり返済総額がより増える可能性もあるからです。
債権者からの催促を無視すると、一括請求や訴訟になり、財産や給与を差し押さえられる可能性もあります。
弁護士を介して再和解の交渉で返済計画の見直しをすれば、精神的なストレスの軽減も可能です。
和解に応じてもらえないなら、他の債務整理に切り替える方法も検討しましょう。
個人再生や自己破産の手続きは裁判所の判断も必要になり、弁護士に依頼する費用も再度かかります。
法律事務所や法テラスなどを活用して、個人再生や自己破産のメリットとデメリットをよく理解してから自分にふさわしい方法を選びましょう。

