COLUMN経営コラム

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APIとは? クラウド会計ソフトでデータ移行・クレジット連携はできる?

投稿日:2022.09.15

更新日:2024.07.18

経理クラウド

みなさんは「API」はご存知でしょうか?

APIは、会計や経理において必要不可欠な技術・サービスと言えますが、「何となくイメージはできるけど、あまりよくわかっていない」と言う方が多いのではないでしょうか。

そこで、この記事ではクラウド会計の「API」をテーマに解説をします。

この記事を最後までお読みいただければ、APIのキホンやメリットについて理解できることでしょう。

クラウド会計ソフトの「API」とは?

そもそも「API」とは、「Application Programming Interface」の略語で「アプリケーションとプログラムを繋ぐもの」と言う意味があります。

そして、「API連携」は、2つのアプリケーションサービスがデータを連携し合うことです。

SDKについて

APIとよく対比して使われる言葉がSDKです。ともにアプリケーションを連携する際に利用するものなのですが、意味は異なります。

APIはあくまで情報をやりとりするインターフェースの取り決めでしかないため、実際にプログラムの中で扱うには、さまざまな「準備」や「お作法」が必要になります。

その準備やお作法の1つがSDK。SDKにはAPIを簡単に利用するためのライブラリ・APIの機能一覧・サンプルプログラムなどを含む開発ツール一式が含まれているのです。

ソフトウェア開発に必要なプログラムやドキュメントがひとまとまりにパッケージ化されているので、SDKを使うことで開発工数を削減しながら、必要な機能を実装できます。SDKはAPI連携を利用する場合にも役に立つツールです。

クラウド会計ソフトでは、APIが採用されています。APIについてもう少し詳しく説明しておきましょう。

通常、異なるアプリケーション(ソフトウェア)同士の連携は容易ではありません。アプリケーションAとアプリケーションBがあった場合、データの利用・交換が簡単にはできないのです。

それぞれのアプリケーションで専用のログインIDやパスワードによる認証も必要になるので、データの共有も、アプリケーションAからアプリケーションBへのアクセスも困難です。

ところが、API連携がこれを可能にします。APIがこのアプリケーション間の連携場所を提供するからです。この技術のおかげで、アプリケーション内のデータをパソコンに保存してから別のアプリケーションに入力し直す必要もなくなりました。手作業が不要だということです。

アプリケーションのデータ同士で簡単に共有ができます。

近年ではWeb APIが普及しています。これはAPIをHTTPなどのWeb技術を用いて構築されたものです。

普通、APIの多くでは利用者側と同じプログラミング言語を使った提供が行われています。しかし、Web APIでは異なるプログラミング言語同士でも通信が可能なHTTP/HTTPS方式が採用されているのです。

Web APIとして公開されている既存のプログラムを利用すると、新たなサービスや機能の開発が容易になります。また、ユーザーは現在利用しているWebサイトやアプリケーションから離れることなく、目的を達成できます。さらに自社サービスの利用機会を拡大することができるでしょう。

APIにしろWeb APIにしろ、具体的には、決済や勤怠、給与計算、経費精算、POS等、さまざまなシステムと会計ソフトが連携され、繋がっているのです。

このAPI連携があるからこそ、私たちはさまざまなサービスを1つのソフトで一元的に管理できています。これが「クラウド会計ソフトが便利」と言われる所以でしょう。

API連携ができるクラウド会計ソフトもいろいろあります。

クラウド会計ソフトのAPIのメリット・デメリットは?

では、そんなクラウド会計ソフトのAPIについて、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

ここからは「クラウド会計ソフトのAPIのメリット・デメリット」について、解説します。

ここで解説する内容は、メリット5つ・デメリット2つです。

▼メリット

  • 煩雑な入力作業がゼロに
  • データの入力ミスがゼロに
  • クラウド会計対応のキャッシュレス(クレジット、電子マネー)の幅が広い
  • クラウド会計を使った「電子帳簿保存法」の対応がラクに
  • クラウド会計のデータをラクに移行できる

▼デメリット

  • API提供側のサーバーの影響を受ける。
  • サービスがAPI提供側の都合に左右される

それではそれぞれ確認していきましょう。

メリット

まずは、クラウド会計ソフトのAPIのメリットからです。

メリット①:煩雑な入力作業がゼロに

メリットの1つ目は、煩雑な入力作業がゼロになることです。

クラウド会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカード等の金融サービスとも連携できます。連携することにより、口座残高や決済内容を直接会計ソフトに反映させることができます。

銀行口座とクレジットカードの出入金状況も把握できますし、煩雑な入力作業をゼロにできるところが、APIの最大のメリットとも言っても過言ではないでしょう。

メリット②:データの入力ミスがゼロに

メリットの2つ目は、データの入力ミスがゼロになることです。

先ほども解説の通り、APIは各サービスのデータを直接会計ソフトに反映させます。そのため、元のデータが誤っていない限り、会計・経理にミスが生じることはありません。

手作業でミスが生じやすかった点を解消できるのは、APIの魅力と言えるでしょう。

メリット③:クラウド会計対応のキャッシュレス(クレジットカード、電子マネー)の幅が広い

メリットの3つ目は、クラウド会計対応のキャッシュレス(クレジット・電子マネー)の幅が広いことです。

クラウド会計のAPIには、銀行口座やクレジットカード以外にも、さまざまなサービスが連携されています。

最近では、さまざまなキャッシュレス決済がありますが、「PayPay」や「d払い」と言ったQRコード決済まで対応しています。どんどんサービスの幅が広がっているのは、魅力的と言えるでしょう。

メリット④:クラウド会計を使った「電子帳簿保存法」の対応がラクに

メリットの4つ目は、クラウド会計を使った「電子帳簿保存法」の対応がラクになることです。

電子帳簿保存法とは、従来、紙で保管されていた帳簿書類の電子データ化と保管を可能にし、また電子で保存する場合のルールを定めた法律を指します。

この電子帳簿保存法の対応についても、API連携が可能なサービスがあり、活用できます。そのため、スキャン対応等の面倒な手間をラクにすることが可能となりました。

これもやはり魅力的と言えるでしょう。

メリット⑤:クラウド会計のデータをラクに移行・共有できる

メリットの5つ目は、クラウド会計のデータをラクに移行・共有できることです。

クラウド会計ソフトでは、勤怠管理や給料計算、経費精算等のサービスとも連携できます。ただ、データをそのシステムごとに入力するのはかなり面倒と言えますよね?

クラウド会計システムでAPI連携されたデータは、他システムに移行・共有することも可能です。

もちろん会計ソフトにもよりますが、例えば『マネーフォワードクラウド会計』では、会計業務以外のサービスにもデータを移行・共有できます。これにより、バックオフィスの効率化を図ることができ、みなさんがより事業に集中できる環境を整えられるでしょう。

デメリット

続いて、クラウド会計ソフトのAPIのデメリットを見てみましょう。

デメリット①API提供側のサーバーの影響を受ける。

API提供の企業のサーバーに何らかの不具合が生じたり、ネットワークトラブルが発生したりすると、自社のサーバーにも影響が及ぶことがあります。

そうなると、API連携をしたクラウド会計ソフトが機能しなくなることがあるのです。この場合、自社内での対応は難しいので、様々な事態を想定して、対応策を考えておかないといけません。

デメリット②サービスがAPI提供側の都合に左右される

APIは提供企業の都合に左右されます。もし提供企業がAPIの提供をやめたり仕様変更したりすれば、これまでのAPIは利用できなくなります。

そのため、他のAPIを使うか、自前で開発するか、その部分の提供をやめるかなどの対応が必要になってきますが、ユーザーにも迷惑が掛かりやすいです。

この記事のまとめ

この記事ではクラウド会計の「API」のキホンやメリットについて、解説しました。

この記事の内容をおさらいすると次の通りです。

「API」とは、「2つのアプリケーションサービスがデータを連携し合うこと」

SDKはAPIを簡単に利用するためのライブラリ・APIの機能一覧・サンプルプログラムなどを含む開発ツール一式

クラウド会計のAPIのメリット・デメリット

▼メリット

  • 入力作業やミスがゼロに
  • さまざまなキャッシュレス決済、クレジットカードに対応
  • 「電子帳簿保存法」の対応やデータの移行・共有がラクに

▼デメリット

  • API提供側のサーバーの影響を受ける
  • サービスがAPI提供側の都合に左右される

この記事で解説の通り、APIの活躍により、クラウド会計ソフトが日々進化を遂げています。ただ、進化を遂げていても「使うこと」ができなければ、意味がありません。

ぜひ、クラウド会計ソフトのAPIを活用し、みなさんの会計・経理をどんどんラクにしてください!

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。