COLUMN経営コラム

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会計ソフトの業界シェアは?人気ソフトはどれ?
投稿日:2023.10.26
更新日:2024.09.06
税務経理クラウド

「会計ソフトを導入してみたいが、どれがいいだろうか?」
「人気の会計ソフトを知りたい」
これから会計ソフトを導入することを考えている人が考えるのは上記のようなことでしょう。
そこで本記事では、会計ソフトの業界シェアを確認しながら、人気のソフトを紹介します。
皆さん方の企業やお店にも役立つ会計ソフトがあるでしょうから、大いに参考にしてください。
▼ この記事の内容
会計ソフトとは?

まずは、会計ソフトとはどのようなものかから解説しましょう。
会計ソフトは企業やお店の売り上げ・支払いなど日々のお金の動きを管理し、決算書を作成できるソフトです。
会計業務の効率化ができます。
会計ソフトには大きく分けて、2つの種類があります。
クラウド型会計ソフトとインストール型会計ソフトです。
それぞれの特徴を見てみましょう。
クラウド型会計ソフト
クラウド会計ソフトは、クラウド上にデータを保存し、インターネットに接続しながら会計処理を行うソフトです。
インターネットに接続できる機器なら、何でも操作ができるのが特徴。パソコンでもタブレットでもスマートフォンでも利用できます。
場所・時間を問わずに利用できるのもメリットで、リモートワークでの作業も可能です。
デメリットとしては、インターネットがつながらないと使えないこと、クラウド上にデータを保存することから情報漏洩の恐れがあることなどです。
また、月額利用料金がかかります。
インストール型会計ソフト
インストール型会計ソフトは、パソコンにインストールして使います。
かかる費用は最初の導入費用だけで、いったんインストールすると、長く使えます。
インストール型の利用に当たってインターネット環境は必要なく、処理も速いです。
複数のパソコンでインストール型を使う場合は、別々にインストールする必要があり、少し手間がかかります。
また、タブレットやスマートフォンでは使えません。
会計ソフトでできること
会計ソフトの種類にもよりますが、次のようなことができます。
- AIが自動で勘定項目の仕訳をする
- 貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの財務諸表の作成ができる
- 支払い管理ができる
- 簡単に帳票の出力ができる
- 役職などに応じて権限変更ができる
- 他システムと連携できるものがある
- ユーザーは「数字の入力」や「項目の入力・選択」をするだけでよく、後はソフトがやってくれる
会計ソフトがあるとなしでは、会計業務のスピードも手間も大きく変わります。
それだけに最近は導入している企業やお店も多いです。
会計ソフトの市場規模
現在、会計ソフトがどの程度利用されているのか、市場規模を見てみましょう。
個人事業主向け会計ソフトの市場規模
個人事業主向けの会計ソフトの市場規模を紹介します。
株式会社MM総研が行ったWebアンケート調査によると、2022年(令和4年)分の確定申告を実施した個人事業主(26,043事業者)のうち、38.0%(9,906事業者)が会計ソフトを利用しているとのことです。
そのうち、インストール型の会計ソフトを利用しているものが55%、クラウド型利用者が31%でした。

画像引用元:株式会社MM総研|個人事業主のクラウド会計利用率は初の30%超えに、引き続き拡大基調
現時点では、インストール型ソフトを使っている個人事業主が多いという結果ですが、クラウド型ソフトの利便性が徐々に認知されるようになっています。
実際に株式会社MM総研の調査でも、クラウド型を利用する個人事業主が毎年増え続けています。

画像引用元:株式会社MM総研|個人事業主のクラウド会計利用率は初の30%超えに、引き続き拡大基調
行政手続きのデジタル化などの動きも手伝って、今後はクラウド型会計ソフトへの移行も進んでいくことでしょう。
法人向け会計ソフトの市場規模
少し古い調査結果になりますが、MM総研が2017年9月26日に発表した国内法人におけるクラウド会計ソフトの導入実態調査の数値があります。
それによると、会計ソフトの利用率は54.1%で、クラウド型会計ソフトの利用率は14.5%、インストール型が85.5%でした。

画像引用元:株式会社MM総研|クラウド会計ソフトの法人導入実態調査
クラウド型会計ソフトを導入している法人の声を聞くと、コスト削減、情報の集約管理、セキュリティ向上などを重視しているためだとのことです。
会計ソフトの業界シェア
どんな会計ソフトがよく利用されているのか、業界シェアを見てみましょう。
個人事業主の会計ソフトの業界シェア
個人事業主が利用している会計ソフトの業界シェアから紹介します。
やはり株式会社MM総研の調査結果によりますが、クラウド型会計ソフトでは、以下のような数値になっています。
▼2022年4月時点
- 弥生:53.9%
- freee:25.4%
- マネーフォワード:15.5%
- その他:5.2%
▼2023年4月時点
- 弥生:52.8%
- freee:26.0%
- マネーフォワード:15.3%
- その他:5.8%

画像引用元:株式会社MM総研|個人事業主のクラウド会計利用率は初の30%超えに、引き続き拡大基調
個人事業主向けクラウド会計ソフトの業界シェアを見てみると、大手3社の寡占状態になっています。
上位3社だけで94.2%も占めています。
これはここ2年間だけの傾向ではありません。

画像引用元:株式会社MM総研|個人事業主のクラウド会計利用率は初の30%超えに、引き続き拡大基調
マネーフォワードとfreeeが逆転した時期もありますが。全体を見れば、3社寡占状態です。
法人の会計ソフトの業界シェア
続いて、法人の会計ソフトの業界シェアをチェックしてみましょう。
株式会社MM総研が2017年9月26日に発表した調査結果によります。
- クラウド会計ソフト freee(freee):32.3%
- MFクラウド会計(マネーフォワード):19.2%
- 弥生会計オンライン(弥生):15.4%
- ネットde会計(パイプドビッツ):13.8%
- ClearWorks会計ワークス:10.0%
- ハイブリッド会計ソフトCrew:7.7%
- その他:1.5%

画像引用元:株式会社MM総研|クラウド会計ソフトの法人導入実態調査
個人事業主向けの会計ソフトの業界シェアと調査時期は違いますが、法人では幅広いサービスが利用されています。
簡単に各ソフトの説明をしておきましょう。
法人で1位になったクラウド会計ソフト freeeは2013年3月にサービスを提供し始め、銀行口座やクレジットカード、ECサイトなどの明細を自動で取得できるようになっています。
入力が自動化されることで会計事務の効率化を実現しています。
初心者でも操作しやすい点や優れたデザインも魅力です。
2位のMFクラウド会計は2014年1月からサービスを提供していますが、元々は家計簿アプリで有名な会社でした。
特徴としては多機能なこと。
仕訳機能、請求書・見積書などの作成機能、給与計算機能などが含まれます。
法人会計ソフトシェアNo.2のマネーフォワードを紹介
画像引用元:MoneyForwardクラウド会計|クラウド会計ソフトで会計業務を約1/2に削減
ここでは、個人事業主の会計ソフトシェアでは3位、法人の会計ソフトシェアでは2位になったマネーフォワードについて詳しい特徴を紹介しましょう。
運営会社
MFクラウド会計(マネーフォワード)の運営会社は株式会社マネーフォワードで、本社所在地は東京都港区芝浦にあります。
北海道(札幌市)・東北(宮城県仙台市)・東海(愛知県名古屋市)・京都(京都府京都市)・関西(大阪府大阪市)・広島(広島県広島市)・九州(福岡県福岡市)に支社があります。
会社設立は2012年5月。
株式会社マネーフォワードでは、PFMサービスおよびクラウドサービスの開発・提供などの業務を行っています。
マネーフォワードの種類
マネーフォワードには次のような種類があります。
- MoneyForward ME(個人向け)
- MoneyFowardクラウド(法人・個人事業主向け)
- MoneyFoward X(金融機関向け)
それぞれの特徴を紹介します。
▼MoneyForward ME(個人向け)
個人向けのMoneyForward MEなら、家計簿も資産確認もこれ1つで管理できます。
毎日のお金の出入りは可視化され、管理はかんたんに!
普段のショッピングで使った電子マネー、クレジットカードはもちろん、給料が振り込まれた銀行口座なども含めてすべて可視化されます。お金の出入りについてはMoneyForward MEさえあれば、すぐにチェックが出来ます。
資産残高も可視化!
MoneyForward MEで各種銀行口座の残高の確認が可能。クレジットカードの利用額からポイントやマイルの状況まで把握でき、現在のあなたの資産状況が手に取るように分かります。
毎日の支出は分類して見える化。食費、日用品などお金を使った項目別に自動で分類するので、何にお金を使ったのかが一目瞭然です。
後どれだけお金を使えるかなどの予定も立てやすくなります。
また、単に可視化するだけでなく、家計の管理を正しく、効率的にできるようにサポートもしてくれます。
例えば、次のようなサポートです。
- 銀行口座の残高不足やクレジットカードの使い過ぎなどを通知してくれる
- クレジットカードの引落情報をまとめて管理してくれる
- 現金支出についてはレシートを撮影することで、かんたんに入力できる
- 予算機能では、今月使えるお金のチェックができる
- あなたの会計や資産状況を分析し、レポートにまとめてくれる
MoneyForward MEのセキュリティも安心です。
金融機関にアクセスするデータは暗号化され、厳重な管理・運用体制で守られていますから、ダイジョウブ。
パスワードやクレジットカード番号などはMoneyForward MEではお預かりしません。
▼MoneyFowardクラウド(法人・個人事業主向け)
続いて、MoneyFowardクラウド(法人・個人事業主向け)の紹介です。
MoneyFowardクラウドは確定申告、経理や人事労務の面倒な業務を効率化してくれるソフトです。
公式サイトによると、課金顧客数も非常に多く、クラウド会計ソフト満足度もとても高く、SaaS給与管理シェアもずば抜けています。。
MoneyFowardクラウドには3つのタイプが用意されています。
- 個人向け:個人事業主や副業をしている方におすすめ
- 小規模〜中小企業向け:比較的規模の小さい企業におすすめ
- IPO準備・中堅〜上場企業向け;規模が大きい企業の方はこちらがおすすめ
まず、個人向けの特徴からですが、確定申告がかんたんにできます。
面倒な作業は全て自動化され、確定申告関連の書類は自動作成されます。
アプリを利用するとさらにかんたんになり、レシートの撮影によって、日付・金額を読み取り、自動仕訳も行ってくれます。
確定申告以外には次のような機能もあります。
- 会計レポートのかんたん出力:経営状況を把握できます
- 請求・経費精算との連携:「マネーフォワード クラウド」の各種サービスと連携可能で、業務が効率化します
- 消費税申告書の作成・提出ができる:仕訳データをもとに消費税申告書の作成・提出可能で、インボイスにも対応
次は、小規模〜中小企業向けMoneyFowardクラウド。
50名以下の企業向けのソフトで、経理や人事労務などの業務を効率化してくれます。
例えば、次のような機能を利用できます。
- クラウド上で機能する会計
- クラウド上で作成できる請求書
- クラウド上で計算できる経費
- クラウド上で行う債務支払
- データを一元管理でき、各種サービスとの連記ができるクラウドBOX
- クラウド上で行う契約
- クラウド上で管理する勤怠
- クラウド上で管理して支給する給与
- クラウド上でまとめる年末調整
- クラウド上で計算する社会保険
- クラウド上で管理するマイナンバー
3番目のIPO準備・中堅〜上場企業向けはクラウド型ERPを初期費用を抑えながら素早く導入できます。
詳細については、こちらから資料をダウンロードしてください。
▼MoneyFoward X(金融機関向け)
最後に紹介するのは、MoneyFoward X(金融機関向け)です。
各種金融機関で導入されているソフトで、マネーフォワードの技術を活かしながら、様々な課題への解決策を提案してくれます。
課題とは、例えば次のようなものです。
- 最新のフィンテックサービスを導入したい
- お客さまの心に響くマーケティングを行いたい
- コストを抑えながら、サービスを向上させたい
- 既存アプリの利便性を高めたい
- 外部企業の技術やアイデアを活用して、開発事業に役立てたい
- 様々なデータを活用したマーケティングを実施したい
- 成功するビジネスモデルを考えてほしい
- 中小企業向けの融資のあり方を考える
- 非対面の取引を加速させたい
- その他
公式サイトには実際にMoneyFoward Xを導入した金融機関の例も載っています。
アフラック生命保険株式会社、静岡銀行、野村ホールディングス株式会社など、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。
マネーフォワードの料金
マネーフォワードの料金を確認しておきましょう。
▼MoneyForward MEの料金
MoneyForward MEの料金は次のようになっています。
月額 | 年額 | ||
無料会員 | 0円 | 0円 | |
プレミアムサービス | スタンダードコース | 500円App Store決済:480円 | 5,300円Google Play決済:5,500円 |
資産形成アドバンスコース | 980円 | 10,700円 |
※料金は全て税込み
▼MoneyFowardクラウドの料金
MoneyFowardクラウドの料金は以下のようになっています。
■個人向け
月額プラン | 年額プラン | |
パーソナルミニ | 1,280円/月 | 900円/月(年額 10,800 円) |
パーソナル | 1,680円/月 | 1,280円/月(年額 15,360 円) |
パーソナルプラス | ー | 2,980円/月(年額 35,760 円) |
※料金は全て税抜価格
上記の料金は基本料金です。
この他に各サービスの従量課金分、ならびに各種オプション料金が加わります。
各サービスの従量課金額については以下のサイトを参照してください。
→MoneyForwardクラウド確定申告|マネーフォワード クラウド確定申告の料金
■小規模~中小企業向け
月額プラン | 年額プラン | |
スモールビジネスプラ | 3,980円/月 | 2,980円/月35,760円/年 |
ビジネスプラン | 5,980円/月 | 4,980円/月59,760円/年 |
※料金は全て税抜価格
料金体系は、やはり基本料金に加えて、従量課金とオプション料金負担が生じます。
従量課金の額については以下のサイトを参照してください。
→MoneyForwardクラウド|マネーフォワード クラウドの料金・プラン|従量課金
■IPO準備・中堅〜上場企業向け
IPO準備・中堅〜上場企業向けMoneyFowardクラウドの料金については、以下からお問合せ下さい。
▼MoneyFoward Xの料金
MoneyFoward Xの料金は公表されていません。
以下からお問合せ下さい。
まとめ
今回は、会計ソフトの業界シェアを紹介しました。
個人事業主向け会計ソフトの業界シェアを見ると、上位から順番に弥生→freee→マネーフォワードになっています。
法人向けの業界シェアでは、1位がfreee、2位がマネーフォワード、3位が弥生です。
両方とも順番は違いますが、上位3社は同じ会社となりました。
それだけ、優秀な製品ということでしょう。
記事ではこの中からマネーフォワードについて詳しく紹介してみました。
これから、会計ソフトの導入を進める予定なら、業界シェアに沿ったものを選んでおけば間違いないでしょう。
いずれのソフトも、初心者にもわかりやすく、機能も充実し、使いやすいからです。
ぜひ皆さん方の企業でも経理作業を効率化するために会計ソフトの導入を考えてください。
最近の情勢により、会計ソフトでないと対応しにくいことも多々出てくるでしょうから、自社にぴったりのソフトを選んで、会計業務をスムーズに進めましょう。