COLUMN経営コラム

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無料で利用できるクラウド会計ソフト!シェアが高いおすすめはどれ?

2023.10.26

税務経理クラウド

日々の経理業務や確定申告をしやすくしてくれるクラウド会計ソフトですが、有料版と無料版があります。どちらを選ぼうが自由ではあるものの、いきなり有料版を使うのに抵抗がある人もいるでしょう。

そこで今回の記事では、無料で利用できるクラウド会計ソフトのおすすめを紹介します。無料といっても優れた特徴を持ったものを選んだので、気に入ったらぜひ利用してください。

無料のクラウド会計ソフトで大丈夫?

無料版もあるクラウド会計ソフトですが、利用に当たって気になるのは無料で大丈夫かということでしょう。そこで無料版の長所や短所を見てみましょう。

無料クラウド会計ソフトの長所

まず、無料クラウド会計ソフトの長所を紹介します。

クラウド会計ソフトと呼ばれるものは、インターネット環境さえ整えば、いつでもどこでも作業ができます。これは無料版であろうと有料版であろうと変わりません。

会社のオフィスにいなくても、外出先でも自宅でも作業が可能。テレワークにも適しています。

次にスピーディーなデータ入力を実現します。紙の領収書やレシートをそのまま記録したり、スマホカメラで撮影して保存したりすることも可能。転記や仕訳の手間が省けます。

無料版であっても、仕訳帳や出納表、決算報告書、年次決算資料などは簡単に作成できます。会計業務に必要な書類はフォーマットに沿って入力するだけでよく、作成作業が簡略化されるでしょう。

無料版だと新しい税制や法律に対応できないのではと思っている人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。バージョンアップが随時行われ、最新の法律に対応できるようになっています。

無料クラウド会計ソフトの短所

続いて、無料クラウド会計ソフトの短所を見てみましょう。

まず、使える機能に制限があります。有料版では全ての機能が使えるようになっていても、無料版では一部の機能しか利用できないことが多いです。

これはクラウド会計ソフトの提供会社のことを考えれば当然でしょう。クラウド会計ソフトの制作にはかなりの手間と費用をかけていますが、それが無料では採算が取れません。

そのため、機能に制限を設け、もっと充実した機能を使いたいのなら、有料版に移行してくださいとしているのです。

次に無料期間が設定されているケースがあります。ある時期までは無料で利用できても、以降有料ですというパターンです。

また、無料お試し期間を設けているところもあり、期間を過ぎると有料版に移行することになります。

サポートがないか不十分なのも無料クラウド会計ソフトの短所。サポートなしでは、会計や確定申告、ソフトの使い方などでわからないことが生じても質問ができません。

サポートがあっても、無料版の場合は回答まで時間がかかるなど不便になっています。

無料クラウド会計ソフトがおすすめな人

無料クラウド会計ソフトの長所・短所を見てみましたが、結局どのような人におすすめのソフトといえるでしょうか。そこで、こんな人には使ってほしいというケースを紹介しましょう。

個人事業主や規模の小さな会社の場合、無料のクラウド会計ソフトでも十分役に立ちます。個人事業主や小さな会社の場合、取引数や扱うデータ量に限りがあるので。無料版の機能だけでも困ることはありません。

お金の動きがそれほど多くなく、複雑でもなければ、無料版を利用しても問題は生じないでしょう。

無料クラウド会計ソフトの短所として、サポートが手薄いことを挙げましたが、サポートが不十分で使いこなすためには、ある程度会計知識がある方がいいでしょう。会計業務の経験がある、サポートがなくても大丈夫ということなら、無料版を使ってみましょう。

会計業務の経験がなく、会計ソフトを使ったこともないというのなら、無料版からのスタートがおすすめ。いきなり有料版の豊富な機能を試すよりも、まずは無料版で試用してみましょう。

本格的なクラウド会計ソフトを導入する前に、トライアルしてみることで今後有料版が必要かどうかがわかります。

会計ソフトにお金をかけたくない人も無料版を利用するといいです。それほど煩雑な会計作業がなく、基本的な機能だけで十分という場合は、無理に有料版を使う必要はありません。お金をかけなくても、最低限の役割は果たしてくれます。

無料クラウド会計ソフトを選ぶポイント

無料クラウド会計ソフトを使ってみようと思ったら、自社に合うものを選別しなければいけません。そこで、選ぶポイントを解説します。

本当に無料でいいか?

無料クラウド会計ソフトを選ぶときは、本当に無料でいいのかを確認してください。

機能面で十分か、自社の会計業務に適しているかなどを見てから選ぶことになります。

また、無料のクラウド会計ソフトの場合、青色申告に対応していないことも多いです。青色申告で納税額を抑えたいと思っている人は、有料版を使うことになります。

完全無料か期間無料か?

無料クラウド会計ソフトには、完全無料のものと期間無料のものがあります。それぞれ特徴が少し違います。

完全無料のクラウド会計ソフトは、永年無料で利用できますが、機能が少なめです。期間無料のクラウド会計ソフトは一定期間(数ヶ月や1年など)は無料で、その後有料版にアップグレードすることになります。その際にも費用がかかるものの、機能は完全無料のものより充実しています。

それほど複雑な経理業務をしない会社である、個人事業主であるなどの場合は、完全無料のクラウド会計ソフトを選んでも、間違いないでしょう。完全無料ソフトでは機能が足りない、これからさらに様々な会計業務が生じる可能性があるなどの場合は、期間無料を試してみて、有料版に移行するのがおすすめです。

使いやすさ

無料のクラウド会計ソフトといってもいくつかの種類があり、それぞれ使用感が異なっています。そこで自分たちが使いやすいかで、製品選びをするのもポイント。

機能が制限されている無料版では、それほど複雑な操作を必要とするものはありませんが、それでも種類によって微妙な違いがあります。

実際に試してみて、これはと思えるものが見つかったら、導入してみてください。

事業規模に合っているか?

無料クラウド会計ソフトを利用するかどうかは、事業規模とも関係があります。

大企業、従業員やスタッフが多い会社などでは、無料クラウド会計ソフトでは対応できないことがあります。豊富な機能が搭載され、多人数用の会計処理ができる有料版が必要になることが多いです。

一方、規模が小さい会社、個人事業主なら、無料クラウド会計ソフトを選んでも大丈夫でしょう。青色申告を利用する場合は別ですが、白色申告なら無料版で対処できます。

おすすめの無料クラウド会計ソフトを比較

無料のクラウド会計ソフトを選ぶポイントを紹介しましたが、実際に選ぶとなると迷うこともあるでしょう。そこでおすすめのソフトを比較してみるので、これからクラウド会計ソフトの導入を考えている人は参考にしてください。

1.クラウド会計ソフト freee会計

クラウド会計ソフト freee会計には、3つの種類があります。個人用・20名以下の法人用・21名以上の法人用です。

個人用では、確定申告の作成が簡単にできます。質問に答えていくだけですから、経理作業が初めての人でも操作しやすいです。スマホアプリからも作業ができます。

20名以下の法人用では、簡単に経理・決算が可能。これまで税理士さんに任せていた作業を自社内で完結できます。

21名以上の法人用は数字を可視化し、経営に活かせる環境を実現。経理業務は簡単&効率的になるので、上場・IPO準備企業、成長企業など業種を問わず利用されています。

無料かどうかについては、期間無料となっています。申込をして1ヶ月間無料です。

ここでは個人用のクラウド会計ソフト freee会計についての説明をしましょう。

個人用はお試しを始めてから一定期間を過ぎると自動的に無料プランに切り替わります。無料プランでは、利用できる機能に制限があるので、ご注意ください。

▼無料プラン・お試しプランの機能

取引データの閲覧・編集直近1か月に登録したデータ のみ可能
請求書類の閲覧・編集直近1か月に登録した書類のみ可能 ※freee会計の旧帳票のみ対象です。freee請求書(新帳票機能)で作成した書類は対象外です。
書類の写真等のデータ取込(ファイルボックス)無料・お試しスターター:月5枚まで お試しスタンダード:月15枚まで お試しプレミアム:月15枚まで
仕訳帳のCSV/PDF出力お試し10データの出力のみ
総勘定元帳のCSV/PDF出力お試し10データの出力のみ
取引データのCSV出力利用できない
メンバー招待可能人数アドバイザー制度加入者のみ 招待可能
チャットサポート利用できない
チャットボット利用可能
メールサポート利用できない ※ 契約に関するお問い合わせのみ利用可能
電話サポート利用できない
確定申告書類の作成機能申告内容の入力まで可能

※参照元:【個人】freee会計のプランについて

2.やよいオンライン(弥生会計オンライン)

やよいオンラインは会計の知識がなくても簡単に利用できるクラウド会計ソフトです。基本的な機能としては次のようなものがあります。

  • 取引の取り込み/入力
  • 会計帳簿の作成
  • 決算書の作成
  • レポートの作成
  • スマホアプリから取引入力

やよいオンラインには次の3つのプランがあります。

プラン特徴
無料体験プラン最大2か月無料で体験 決算書作成機能は利用できない まずはお試し
セルフプラン初年度無料で使える。設立2年以内の法人は2年間無料 すべての機能が利用可能
ベーシックプラン電話・メール・チャットサポートが利用可能 仕訳相談・経理業務相談・マイナンバー相談が利用可能 初年度無料で使える。設立2年以内の法人は2年間無料

※参照元:弥生会計オンラインの使い方と評判!料金プラン・機能や設定・導入事例

やよいオンラインは法人用のクラウド会計ソフトです。個人事業主はやよい白色申告オンラインややよい青色申告オンラインを利用することになります。

やよい白色申告オンラインは永年無料で利用できるクラウド白色申告ソフトです。初めての確定申告でも書類を簡単に作成できます。

やよい青色申告オンラインは経理や簿記の知識がなくても青色申告ができるクラウド会計ソフト。1年間料金無料で利用できます。

3.ちまたの会計

ちまたの会計はサークル、自治会、PTA、ボランティア、スポーツクラブなど非営利組織向けのクラウド会計ソフトです。パソコン、スマホ。タブレットで利用でき、会計報告に必要な書類をきっちり作成できます。

Windows、Macにも対応し、常に最新バージョンを利用できます。

ちまたの会計は完全無料での利用が可能。登録費・利用料・年会費などの料金はかかりません。

無料でもできることが多いのが特徴。入出金を登録して、現金・銀行口座のお金の管理、会計帳簿の自動作成、ポータル画面・分析グラフでの団体の状況の把握、お問い合わせなどが可能です。

完全無料でお問い合わせフォームがあるのはありがたい点です。

4.マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計には3つの種類があります。個人向けクラウド確定申告、中小企業向けクラウド会計、IPO準備/中堅~上場企業向けクラウド会計Plusです。

クラウド確定申告は初めての確定申告でも必要な作業を自動化して、簡単になります。クラウド会計は経費や請求書管理ソフトとも連携でき、バックオフィス業務を効率化。クラウド会計Plusでは、クラウドの利便性はそのままに仕訳承認・権限管理機能が利用できます。

 

各ソフトの無料トライアル期間は1か月です。無料トライアル期間はクレジットカード登録不要で、無料期間に登録したデータは有料プランに引き継がれます。

まとめ

今回は、無料のクラウド会計ソフトの特徴やおすすめを紹介しました。 無料クラウド会計ソフトには一長一短があるので、実際に利用するかどうかは慎重に検討してからにしましょう。会社の規模や会計業務の内容、機能の充実度なども見たうえで、無料版で良さそうというのなら導入し、無料版では不十分ということなら有料版に移行してください。

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。