COLUMN経営コラム

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日本政策金融公庫に見積書を不備なく提出したい方へ|ポイントまとめ

2023.05.11

融資

日本政策金融公庫のHPには、「提出書類:見積書(設備資金をお申込の方)」以上の説明はありません。普通に業者から見積書をもらえばそれで大丈夫なのか、不安を感じられるのはもっともです。

実際のところ、見積書は日本政策金融公庫にしっかり確認され、審査に影響を与えます。

そこで今から、どのような場合に見積書を取るべきなのかと、見積書の不備で融資審査に悪影響が出ないよう注意点を解説してまいります。

見積書は適切に取り扱い、融資を獲得してくださいますと幸いです。

ポイント1:見積書を用意すべき場面を把握する

日本政策金融公庫 提出書類 見積書
日本政策金融公庫 ご提出書類

設備資金の融資を受ける場合、購入予定の業者に設備金額を見積もってもらい、その見積書を日本政策金融公庫に提出する必要があります。

見積書は重要です。必要とする資金額とその用途の根拠になるからです。

▼ 見積書が必要(=設備資金)具体例

  • 土地・建物の購入や増改築
  • 建物の賃借に係る敷金・保証金・権利金
  • 店舗内装
  • 機械、車両、パソコン、電話、机
  • ソフトウェア、ホームページ開設費

設備資金については、「設備資金とは?初めて融資を申込む方へ」でわかりやすく解説しております。

ポイント2:見積書を取得・提出する際の注意点

見積書の記入例

ここからは、不安なく見積書を提出できるよう、注意点を確認していきましょう。

見積書は適正価格で用意する【多めの見積はNG】

できるだけ相見積りを取り、見積書は適正価格のものを提出しましょう。見積金額が多すぎても少なすぎてもいけません。

なぜかといいますと、見積書の金額がおかしいと、創業計画書に記載した必要な資金の額にも問題があることになり、審査に悪影響を及ぼすからです。担当者は数々の審査を経験していますから、不自然な見積金額は見抜かれます

見積金額を多めに出してもらうのは危険

よくお見かけするのですが、事業開始後の運転資金の不安から、設備資金の見積金額を多めに出してもらい運転資金に流用するのは危険です。

異なる用途に資金を使うと「資金使途違反」になり、最悪の場合一括返済を求められるからです。

見積金額を少なめに出してもらうのも良くない

とはいえ、見積金額が少なすぎるのも、後々困る可能性が高くなります。なぜなら、もし実際の購入金額がもっと高くなったとき、日本政策金融公庫に融資の増額をお願いするのは難しいからです。

実際の購入金額は見積書通りでなくても良い|ただし連絡は必要

見積書に記載された金額と実際の購入金額は、異なっていて問題ありません。見積はあくまで見積です。

ただし、見積書の金額と実際の購入金額が異なる場合は、必ず日本政策金融公庫に連絡するようにしてください(日本政策金融公庫HPに記載あり)。

見積書の金額と創業計画書「7 必要な資金と調達方法」欄の金額を合わせる

必要な資金と調達方法の記入例
日本政策金融公庫「創業の手引」

見積書を取得したら、創業計画書の「7 必要な資金と調達方法」欄に、見積書の金額と整合性がとれるように記入していきましょう(創業の手引「3 創業計画書の記入例」の右上青枠内に記載あり)。

少額備品の見積書は「HPを印刷」や「備品一式」で良い

見積をとるほどでもないような少額の備品などについては、業者HPの価格掲載ページを印刷して見積書としていただいても差し支えありません。

あるいは、複数の少額備品の見積を取る場合、ひとつずつ見積書をもらうのは現実的ではありませんから、「備品一式」として見積書をもらいましょう。

見積書は有効期限内のものを提出する

見積書には有効期限の記載がある場合が多いです。日本政策金融公庫に提出する際は、事前に有効期限が切れていないかを確認しておきましょう。

見積書に加えて設備の資料も添えるとさらに良い

見積書を取得した設備の資料等も添付し、日本政策金融公庫の担当者に提出すると一層良いです。

購入予定の設備について、より説得力を持って伝えられます。

見積書は早めに準備する

見積書は早めに準備することが非常に大切です。なぜかといいますと、見積書をとるまでには思っている以上に時間がかかるからです。

まず、あなたの大切な事業に携わってくれる業者を他社と比較しながら選ぶには、それなりの時間がかかります。それから現場や実物の確認、詳細の調査などやるべきことは多々ありますから、早め早めに準備しましょう。

見積書の項目の漏れや誤りに注意

見積書を取得したらすぐに、記載のメーカー、型番、金額、購入店舗はもちろん、名前なども漏れや間違いがないかを確認しておきましょう。

【役立つ知識】日本政策金融公庫から創業融資を受けるために

起業にあたって、まだまだご不安も多いことかと思います。日本政策金融公庫から創業融資を受けるにあたっての役立つ情報をまとめましたので、ご活用くださいませ。

創業融資の審査に通過したい。審査に通過するための基礎情報」でわかりやすくまとめております。
今後の流れを知りたい。融資までの期間」で詳しく解説しております。
運転資金について知っておきたい。創業計画書の運転資金の書き方」をご覧ください。
設備資金について知っておきたい。設備資金とは?初めて融資を申込む方へ」をご覧ください。
見積書以外の必要書類について知りたい。事前に日本政策金融公庫HPでご確認ください。

この記事のまとめ

日本政策金融公庫から設備資金の融資を受ける場合は、見積書の提出が必須です。

お伝えした注意点をよくご確認いただきまして、不備なく見積書をご提出ください。融資決定と事業のご成功を心よりお祈り申し上げます。

創業計画書の作成や今後の審査にご不安がある場合は、創業融資に強い末松会計グループが強力にバックアップいたします。まずは無料相談お待ちしております。

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。