COLUMN経営コラム

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税理士は月いくらで雇える?費用を抑えて効果を上げる方法

2022.07.31

税務

「税や財政の観点から、専門家のアドバイスを受けたい。税務も会計も任せたい」

税理士を雇いたいと思ったとき、ためらう理由の多くは税理士費用の問題です。

費用がなんとかなるなら、税理士を雇わない理由はありません。

この記事では、「税理士費用は月いくらが相場なのか」「費用を抑えて効果を上げるにはどうすればいいのか」を解説していきます。

税理士に依頼する参考にしていただき、より経営・業務を効率的に進めていきましょう。

税理士は月いくらで雇える?【法人の場合】

税理士は一般的に、月1〜5万円(年12〜60万円)の顧問料で契約できます(顧問契約)

2014年に行われた日本税理士会連合会の「第6回税理士実態調査報告書」によると、最も多い価格帯は月1〜3万円となっています。

この顧問料は基本料金にあたり、必要に応じて決算申告料金や記帳代行料などが追加料金として加算されます。

それでは、実際に月いくらで税理士を雇えるのか、細かく見ていきましょう。

【顧問契約とは】

税理士に対して、定期的に業務を依頼する場合に締結します。「経営状況把握」「経営アドバイス」「節税対策」「税務相談」「記帳代行」などが主な業務です。
決算申告のみを依頼する場合は、顧問契約は結びません。

税理士は月いくらで雇える?【相場】

法人が税理士と顧問契約を結んだ場合、月あたりの税理士費用は以下のようになります。

顧問料(基本料) + その他依頼したい業務の料金
年商・年間売上高顧問料(基本料)相場<面談頻度別>
毎月 3、4ヶ月に1回半年に1回
1000万円未満1.5万〜2.5万円 / 月1万〜2万円 / 月1万〜1.5万円 / 月
1000万円〜3000万円1.9万〜3万円 / 月1.5万〜2.5万円 / 月1万〜2万円 / 月
3000万円〜5000万円2.3万〜3.5万円 / 月1.5万〜3万円 / 月1万〜2.5万円 / 月
5000万円〜1億円3万〜4.5万円 / 月2万〜4万円 / 月1.5万〜3.5万円 / 月
1億円〜5億円3万〜6万円 / 月3万〜5.5万円 / 月3万〜4.5万円 / 月
5億円〜5万円〜 / 月

上記の顧問料をベースとし、依頼したい業務によって料金が加算されることとなります。

依頼したい業務が顧問料に含まれるのか、追加料金がかかるのかは、必ずご確認ください。税理士によって異なるためです。

次の見出しでは、主な追加料金を一覧でまとめまています。

主な追加料金【相場】

主な追加料金としては、決算申告料(決算書作成と法人税申告)と記帳代行料が挙げられます。

年商・年間売上高決算申告料記帳代行料
1000万円未満+10万円 / 年+0.5万円 / 月
1000万円〜3000万円+13万円 / 年+0.7万円 / 月
3000万円〜5000万円+15万円 / 年+1万円 / 月
5000万円〜1億円+17万円 / 年+1.5万円 / 月
1億円〜5億円+20万円 / 年+2万円 / 月
5億円〜+25万円〜 / 年+2.5万円〜 / 月

その他の業務についても、それぞれ料金が異なりますからホームページなどで確認し検討しましょう。

末松会計事務所 料金表(基本料 + 記帳支援料 + 決算申告料 + オプション)

▼ 税理士は一体どのように貢献してくれるのか?税理士検討の初期段階の場合は、こちらの記事もご覧ください。
税理士とは?簡単に解説|検討初期の経営者や学生向け

費用を抑えて効果を上げる方法|料金の仕組みも

可能な限り費用はかけたくない。でも効果は上げたい。当然の考え方です。

この見出しでは、その理想を現実のものにするためにどうすればよいかを解説していきます。

【5つの方法】

  1. 適切な面談頻度を設定する
  2. 何を依頼して何を自分でするのかを明確にする
  3. 依頼する業務が顧問料に含まれるか、追加料金かを確認する
  4. 複数の事務所・税理士を検討する
  5. 税理士の質や相性、考え方を見る

<方法1>適切な面談頻度を設定する

かけられる費用と求める成果の種類を明確にし、適切な面談頻度を設定しましょう。

冒頭の表のとおり、面談を何ヶ月に一度行うのかによって顧問料が変わるためです。

面談頻度が多い、つまり税理士に時間を取ってもらい綿密にコミュニケーションを取るほど費用はかかります。

基本的には規模の大きな企業ほど、こまめに面談を行う傾向があります。費用をかけてこまめに面談することで、税理士が経営状況に詳しくなりアドバイスの精度が上がるからです。

資金繰りや節税対策は、最適なタイミングでのアドバイスがあることでより効果が上がります。

面談頻度以外では、面談を実際に会って行うのか、オンラインで行うのか、こちらから訪問するのかなどによっても、価格を抑えられる可能性があります。

<方法2>何を依頼して何を自分でするのかを明確にする

「どの業務を依頼しどの業務は自社で行うのか」を、事前に明確にしておきましょう。

線引きが曖昧なことで結局予想以上に依頼業務が増え、費用が増えることを防ぎます。

例えば記帳代行一つとっても、記帳作業を何もかも丸投げするプランから、仕訳入力は自社で行うプランなど様々あります。

<方法3>依頼する業務が顧問料に含まれるか、追加料金かを確認する

依頼したい業務に追加料金が必要かどうか、必ず確認しておきましょう。

顧問料(基本料)にどの業務内容を含むかは、税理士によって異なります。決算書の作成や法人税の申告は含むのか?記帳代行も依頼するのか?などです。

基本料金だけでは比較できないのです。サービス内容や質が同程度なら、効果を得るのに費用をたくさんかける必要はありません。

<方法4>複数の事務所・税理士を検討する

複数の税理士を比較検討することをおすすめします。

なぜなら税理士料金は、事務所・税理士による価格差が大きいからです。

料金設定は自由ですから、実績や請け負える業務内容、得意分野・不得意分野などで料金設定はかなり異なります。

また、報酬が明確に定められていない場合も多々あります。先ほども出てきました日本税理士会連合会の「第6回税理士実態調査報告書」によりますと、報酬規定を設けている税理士は32.3%と少なめです(2014年の調査ですが)。

しっかり複数の税理士を比較検討することで、最適な税理士を選ぶことができます。

<方法5>税理士の質や相性、考え方を見る

税理士の価格差が大きいとお伝えしましたが、他の専門家と同様税理士の質や相性、考え方も様々です。

税理士は経営状況や財務情報など様々な重要情報を共有し、税務や財務、経営に関わることになります。つまりは「ビジネスパートナー」ですから、信頼が非常に重要なのです。

信頼に足ると思える税理士と契約しなければ、二人三脚で成果を上げることは難しいでしょう。

補足:料金に影響を与えるが、工夫の余地がない要素

  • 年商・年間売上高
  • 従業員数

会社の規模が大きいほど、従業員が多いほど、税理士の業務量が増えるため価格が上がります(従業員数は、税理士によって価格に反映される場合があります)。

これらはコントロールできるものではありませんが、税理士費用の重要な要素ですからお伝えしておきます。

税理士費用を経費処理し、節税する

適切に依頼するのに加えて、税理士費用を経費処理することで納税額を小さくし、間接的に費用を抑えることが可能です。

会計処理の際は、一般的に勘定科目「支払手数料」「業務委託費」「支払報酬料」「支払顧問料」などを使用しましょう。

この記事のまとめ

この記事では、税理士は月いくらで雇えるのかを解説してまいりました。

  • 税理士の顧問料(基本料)は月1〜5万円が相場。加えて、必要に応じて決算申告料などがかかる。
  • 年間売上高や税理士との面談頻度に応じて顧問料は変動する。
  • 費用を抑えて効果を上げる5つの方法を守る。

税理士を有効活用することで、経営を格段に効率化できます。

小さな疑問でも、お気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者

末松和真

税理士法人FLAGS代表社員。税理士。 (株)FLAGSホールディングス 代表取締役 税理士として税務・会計はもちろんの事、経営支援・クラウド会計支援・融資実行・補助金に強く、幅広い知識とサービスで企業の成長を支援している。